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年中夢求・第24回
子供たちの「あこがれの大人」になりたい!
「あこがれ先生プロジェクトin鹿児島」に参加して

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 「先生が輝けば、未来が輝く」
 会場で渡されたパンフレットにはそんな文言が記されていた。ひょんなきっかけで2月11日に県民交流センターであった「あこがれ先生プロジェクトin鹿児島」に参加した。はじめは「取材」のつもりだったが、子供たちに真剣に向き合い、いろんな問題はあっても力を合わせて、みんなで明るい社会を作っていこうという先生たちの熱気に感化され、1人の大人としていろんなことを考えさせられたイベントだった。


※当日の模様を写真で再現したものがフェイスブックでお楽しみいただけます。
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 「あこがれ先生プロジェクト」の発案者は三重県出身の中村文昭さん=写真=。学生時代は「問題行動ばかり起こしていた」中村さんだが、高校卒業後一念発起して東京に上京。焼き鳥屋で偶然隣り合わせた人に刺激を受け、野菜の行商から始め、「人を喜ばせること」を理念に掲げて飲食店業などを手掛けてきた。現在では年間約300本以上の講演もこなす中、学校現場でも多く講演を回っていくうちに「生徒のために本気で泣き、叱り、笑ってくれる素敵な先生にスポットを当て、多くの人に知ってもらう場を作りたい」とプロジェクトを立ち上げた。
 「簡単に言えば『have to=こうならなければいけない』ではなく『want to=こうなりたい』と思う先生たちがつながる場を作ることです」
 実行委員長の内村文彦先生(指宿商高)は言う。

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 「1限目」で登壇した西園和彦先生=写真=は津商高で女子バレーボール部のコーチを務める。小柄だがバイタリティーあふれる先生で、500人以上いる聴衆を前にマイクも使わず、いきなり「あいさつ」練習から始めた。
 「隣の人と『本気のじゃんけん』をしてください」と言われて面食らった。「勝っても負けても本気で喜んでください」「最初は負けた人が、次は勝った人が、思いつく限り相手の良いところをほめてください」「何でもいいから今思っていることを時間いっぱい語ってください」…言われるままに声を出し、ほとんど面識もなかった隣の人と語り会ううちに、なんだか気持ちが明るくなり、会場にいるすべての人たちと同じ目的を共有しているような不思議な気持ちになった。「ヒーローはテレビの向こう側にいるんじゃない。私たち先生がヒーローと呼ばれる存在になりたい」と「先生WAKUWAKUヒーロー塾」という月1回の勉強会を主催し、先生や地域の人たちと研さんに励んでいるという。
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 2限目を担当した西村徹先生=写真=は兵庫県豊岡市の小学校教諭。西園先生とは対照的に、物静かで優しい語り口が特徴の先生だ。発達障害のあるT君を担任した際、西村先生は彼を担任した3年間、毎日一緒に歩いて下校した。約4キロ、約1時間半の下校時間をT君と歩き続けていくうちに、1人の人間に向き合い成長する姿を見守り続けていく中で、地域の人たちも交流が深まり、何か問題が起こった時でも地域と学校が協力して取り組むことができるようになった。「教育は『やり方』ではなく人の『あり方』が大事」と力説していた。
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 3限目は北九州市中学校長の江口満先生=写真=と中村さんの対談。江口先生は「いつも校長室にいない校長」で、デジタルカメラを片手に学校内を歩き回って週1回発行する校長通信「じゃがいも」のネタを探している。生徒、保護者、先生…「スポットライトを当てたい人たちを探す」縁の下の力持ちである。中村さんは「輝いている人のそばにいる『輝かせている人』」だと江口先生を評した。マラソンが趣味でフルマラソンやウルトラマラソンにも挑戦したことがあり、今でも小学校の持久走大会にゲストで参加すると小学生相手でも本気で勝負する「大人げなさ」も魅力の先生だ。

 「何かやりたいと思いながら今まで何もしないでいたけど、自分も何かできることから始めてみたい気持ちになった」
 小学校教諭の川畑先生(国分西小)は参加した感想を話す。高校教諭の山之口輝美先生(志布志高)は「子供たちの悩みをまずは自分で受け入れてみよう」と思った。それが生徒とともに前に進む第一歩なのではないかと実感した。「次の開催が待ち遠しい」「次回はもっと多くの仲間を連れてくる」「早く学校に帰って子供たちに会いたい」…回収したアンケートではそんな感想も多数寄せられたと内村先生は言う。

 いじめ、不登校、モンスターペアレント…今、学校現場には様々な問題があるとされる。特に昨年「体罰」の問題がクローズアップされて以降は、問題を起こす子供たちがいても「なさざるにしくはなし」の風潮が強まっていないだろうか。「子供たちとどう向き合うのか」「教育とはどうあるべきか」という根本的な問いに、誰もが答えを見出せない、息苦しい社会になるのではないかと、個人的に危惧していた。
 しかし、このプロジェクトに参加してみて、希望が持てた。登壇したのは高名な評論家でも著名人でも何でもない。日々学校で子供たちと向き合い、悩み、苦しみながらも前に進もうとしている先生たちだ。「先生になろう」と志した原点を忘れず、1人1人の力は弱くても1人、2人、3人と少しずつ輪を作ってつながっていけば、理想の学校、明るい社会に近づけるのではないか。そんな想いを強くさせてくれた。「教育とはロマンである」。そんな青臭い理想論を胸を張って語れる先生が1人でも増えたら未来は明るい。

 「先生みたいな大人になりたい」
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 締めくくりに力強い演舞で会場を盛り上げてくれた「薩摩川内おどり太鼓」のメンバーの女の子がそんな言葉を発した。子供から憧れられる大人になりたい。私もそう思った。

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テーマ:教育問題について考える - ジャンル:学校・教育

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