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センバツ2014第5日(奄美新聞掲載)
名門・平安の地力に屈す
「大高野球」足跡刻む
アルプスは超満員
大島

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号令とともにベンチから飛び出す大島ナイン
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アルプスを埋めた超満員の観客を背に、甲子園にあいさつする大島ナイン

 第86回選抜高校野球大会(センバツ)第5日は25日、西宮市の阪神甲子園球場で1回戦3試合があった。21世紀枠で初出場の大島が龍谷大平安(京都)と対戦。2―16の大差で敗れたが、一塁側アルプスを埋め尽くした大応援団とともに、鮮烈な甲子園デビューの足跡を刻んだ。
 三回にホームランで先制されるも、四回に6番・福永の内野安打で同点に。序盤は春夏合わせて70回の全国最多出場回数を誇る龍谷大平安とも互角に競り合っていた。五回表に一死満塁の好機を生かせず。その裏に追加点を許してから、相手が主導権をつかみ、終盤は集中力も切れて、大差がついた。
 6000席あるアルプスは学校や奄美からやってきた応援団と関西在住の安陵会、奄美会のメンバーらで埋め尽くされた。一塁側の内野スタンドから外野席まで、1万を超えると思われる大応援団が、大高野球部の甲子園デビューに惜しみない拍手と声援、ハト笛を送っていた。

 大島・渡邉恵尋監督 個々の力、特に打力の面では十分通用した。最後は古豪の底力に押しつぶされた。応援団の声援は感激した。島が一つになる機会を作っていただいたことを感謝している。


◇1回戦
大   島 000 100 100=2
龍谷大平安 001 035 07×=16
(大)福永、前山―白井、備
(平)元氏、中田―高橋佑
・本塁打 元氏、常(平)
・三塁打 小野(大)大谷、姫野、石川(平) ・二塁打 重原(大)大谷2、徳本(平) ・試合時間 2時間15分


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 【評】大島は中盤まで龍谷大平安と互角に渡り合ったが、後半地力に屈した。
 三回裏にソロ本塁打で先制を許したが、直後四回表に先頭の4番・小野が右中間を破る三塁打で出塁。6番・福永の内野安打で同点に追いついた。五回表は相手の制球難をつき一死満塁と攻めたてるも、2番手・中田にけん制アウトと三振で封じられ勝ち越しのチャンスを逃す。
 その裏、6番・常に2ランを打たれ、先に主導権を握られると、六回には打者一巡の猛攻で5点を失った。七回に内野ゴロで1点を返し、意地をみせたが、集中力の切れた八回には、守りのミスも重なり、7失点でダメ押された。

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【1回戦・大島―龍谷大平安】4回表大島、先頭の小野が長打を放ち、三塁へ力走

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【1回戦・大島―龍谷大平安】4回裏平安一死三塁、遊ゴロで三走・中口が本塁を狙うも、三本間で挟まれタッチアウト。捕手・白井

甲子園で通じた「打力」
「総合力」で屈す
大島

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 大島の歴史的な「甲子園デビュー戦」は大敗だったが、持ち味の打力は、甲子園でも通じることを証明してみせた。
 初回、大応援団の歓声に舞い上がることなく落ち着いて打席に立った重原龍成主将は「思った以上にマウンドが近く感じた」という。初球のストライクを見逃したが、「うまく切り替えて次のボールに集中できた」と右方向に狙い通りの打球で出塁すると、大応援団のヴォルテージは早くも最高潮に達した。
 4番・小野が左前打を放ち、二塁からホームを狙った重原だったが好返球に阻まれタッチアウト=写真説明=。だが「流れを持ってくることができた」。相手の応援をも押し返す応援の力もあって、初出場とは思えない堂々の戦いぶりだった。五回まで安打数は6本で同じ。計11安打放ったことで渡邉恵尋監督は「個々の力は十分通用する」手応えを感じた。
 2―16の得点差は、出場1回と70回の伝統の差といえるかもしれない。五回の攻防にそれがはっきり表れた。大島は、満塁の好機を作りながら、一塁けん制アウトで生かせなかった。平安は、外野が下がっていると判断すれば、タッチアップで二塁から三塁を陥れ、初球が緩い変化球と読めば盗塁を仕掛けて揺さぶり、適時打と本塁打で3点を奪う。「打力」は通じたが「得点力が足りない」(重原主将)ことを痛感させられた。
 三回までは凡フライを打ち上げていた平安打線は、四回以降きっちり修正し、低く鋭い打球が野手の間を抜け、ゴロのアウトがなかなか取れなかった。「堅守の平安」らしく守備が乱れたことは一度もなく、バックホームで2度も刺された。打力以外の走、攻、守、投、全ての「総合力で相手が一枚も二枚を上だった」(重原主将)。
 終盤は「名門の底力に押しつぶされた」(渡邉監督)が、一塁への全力疾走、きびきびした攻守交代、何よりどんな展開でも勝負をあきらめず、笑顔でプレーする姿勢は最後まで貫いた。
 「奄美から甲子園」の夢は21世紀枠で「選ばれて」つかんだ。甲子園の敗戦を糧に、今度は「勝ち取って」つかむ夏を目指す。

力不足を痛感
夏の捲土重来を誓う
大島・福永

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 トレードマークの派手なガッツポーズは最後まで不発だった。エース福永翔=右から2人目=にとっては、「自分の力のなさ」を痛感させられたマウンドだった。
 初回に要注意打者の1番・徳本を三振に打ち取って上々の立ち上がりに思われたが、うまく乗れなかった。強打の平安打線に対して、緩い変化球から入って、投球を組み立てようとしたが、「制球がうまく定まらなかった」。
 序盤は何とか乗り切って持ちこたえていたが、三回に本塁打を打たれたあたりから「肘が下がって身体が開くようになった。普段の翔の6割ぐらいの力しか出せていなかった」とネット裏で観戦していた奥裕史コーチは感じた。加えて五回には投球練習をした際に、踏み出す右足首をくじいてしまい、踏ん張りが利かなくなって、かわす投球しかできなくなった。
 マウンドでは不本意な結果に終わったが、打では3安打を放ち、意地をみせた。四回には「ホームランを打たれた借りを返したかった」と同点適時打を自らのバットで放った。
 金久中時代は投手ですらなく、一塁の控えだった。「自分でやってみたいと言ったから」渡邉恵尋監督が投手に起用したところ「力のある重そうなボールを投げる」と感じた。新チームになってから頭角を現し、エースの座を自力で勝ち取った。ほろ苦い甲子園デビューだったが「夏はもっと成長して、相手打者に『手も足も出ない』と言わせる投手になりたい」と捲土重来を誓っていた。

◇選手ひとこと

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 大島は、全国最多甲子園出場回数の名門・龍谷大平安に力の差を見せつけられた。甲子園を戦ってナインそれぞれが何を感じたか、語ってもらった。

 福永翔 自分の力のなさを感じた。夏はもっと成長して、相手に「手も足も出ない」と言わせる投手になる!
 白井翔吾 良い経験ができた。序盤は良いボールがきていたけど、配球をうまく組み立てられなかった。ストライクを取りにくるボールを相手は見逃してくれなかった。
 小野浩之介 みんなの声もよく出ていた。自分らしい打撃はできたが、チャンスに打てなくて悔いが残る。守備や走塁の大切さも分かった。
 武田翔吾 力の差が出た。スイングスピードが違った。守備も堅い。このレベルになるには今の2、3倍の練習が必要だ。
 川畑雅樹 自分たちらしい野球の片鱗は見せることができたのでは。走塁、守備面は何段階も相手が上。甲子園で勝つためにはこのレベルを目指さないといけない。
 重原龍成 ものすごい応援に相手の野手も序盤は口を開けていた。本当にありがたくて力になった。夏はこの応援に勝利で恩返ししたい。
 泊慶悟 自分たちの良さを何も出せなかった。甲子園の悔しさがあったから今があると言えるようなものを、これから作っていきたい。
 富靖宝 打球の質、肩…すべてに相手が上だった。このレベルの相手と野球をしたことがない。このレベルを知ったことが今後につながる。
 竹山舟 (5回のけん制アウトは)先の塁に行くことを考えてしまって、不用意にリードが大きくなった。七回は少しでも早く捕りたいと前に出たことがファインプレーにつながった。
 前山優樹 試合は夢のようだった。自分が失点してしまったが、島の人たちの応援は励みになった。そのおかげでアウトも取れた。島に戻りまたここに来られるよう鍛えなおしていきたい。
 備心之介 周りの人の心を動かす野球はできたと思う。打つことは通用したが、点につながらなかった。今度はここで勝利をつかみたい。
 勝元康介 近畿大会1位の強豪校は、今まで戦ったことないくらい強かった。夏はここに戻り1勝したい。
 武田一歩 夢の舞台に立てたことが、これからに影響してくる。夏もまた来たい。
 盛山京弘 楽しかった。悔しさもある。選手の動きなど今まで見たことない野球でレベルの差を感じた。夏までにそのレベルに近づき、またここに戻ってきたい。
 木島慧人 相手が強豪校ということでのまれてしまった。夏また戻ってきたい。自分を追い込み、長所を伸ばしたい。
 坂野拓海 序盤は「いける!」と思ったが、相手はしっかり取るところで取ってきた。自分たちも夏戻ってきて悔しさを晴らしたい。
 森史行 憧れの舞台で自分では楽しめた。全国の強豪校に負け悔しい思いをした。島に戻り鍛えなおしたい。
 中田優 全国のレベルの高さを実感した。この悔しさを忘れないように、夏には互角に戦えるようなチームでここに戻って来たい。
 長井志帆 ピンチの時を何度も乗り越え、感動した。アルプスからの応援は支えられていることを実感できた。


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テーマ:高校野球 - ジャンル:スポーツ

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