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奄美出身者の挑戦
「日本一の安売り王になる!」
スーパー業界への挑戦
米盛さん(喜界島出身)

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 日本一の安売り王に俺はなる! 威勢のいい文言が新鮮な野菜の値札に添えられている。鹿児島市紫原5丁目にある「スーパーヨネモリ喜界島」は喜界島出身の米盛隆人さん(29)が自身の夢をのせて、2013年5月にオープンした。開店1周年を過ぎ「地獄を見た」(米盛さん)どん底も味わったが、売り上げも順調で「島出身の人間でもこの業界でやっていけることを示したい」と張り切っている。


・売上を倍にしたら…

 米盛さんの実家は喜界島で米盛商店というスーパーを営む。「いずれは家業を継ぐことになる」と考えていた米盛さんは喜界高校卒業後、鹿児島に出て「修行」のつもりでマルイストアに就職した。
 7年間の修行の後、10年4月に帰島。家業を継ぐだけではなく「いずれは鹿児島に出店したい」夢を描いていた米盛さんは、父で社長の慶孝さんとある約束をした。「売り上げを倍にしたら、鹿児島に出店してもいい」。
米盛さんはわずか1年で「ノルマ」を達成する。これまで配っていなかったチラシを週1回、定期的に配布するなど7年間の修行で培ったノウハウを生かし、短期間で店の売り上げを順調に伸ばした。
 ノルマを達成して鹿児島出店の機会をうかがっていたところ、かつての修行先だったマルイが12年10月で閉店のニュースが飛び込んできた。早速かつての上司に連絡をとり、マルイの店舗の中で紫原店の跡地に出店することが決まった。半年あまりの準備期間を経て、念願の「スーパーヨネモリ喜界島」が13年5月にオープンする。

・「地獄」を見た
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 背水の陣で臨んだが、開店当初は描いた経営とは程遠かった。紫原がある鹿児島市南部地区は、イオンやマックスバリューなど大資本の巨大スーパーがある。コンビニエンスストアも多く、予想をはるかに上回るし烈な「ライバル争い」があった。
 ある月は300万円近い赤字を出したこともある。近所に似たような店舗面積でオープンしたドラッグストアも3カ月で閉店した。用意した開店資金は5000万円。この上に赤字が積み重なったら「どうやって借金を返すか」の当てもなく途方に暮れた。社長の慶孝さんからも「傷口」が大きくならないうちに「(14年)2月で閉める」とまで言われた。「自分の見通しは甘かったのか?」と悶々と悩む日々だった。

・市場に足を運ぶ

 土俵際まで追い込まれたが、そこから米盛さんは「負けじ魂」を発揮する。高校時代、野球部で叩き込まれた根性と度胸だ。自分の夢を簡単にあきらめたくなかった。
 まずは経費の見直し。業者に頼んで新聞に折り込んでいたチラシを、自分たちで手作りして、ポスティングして回った。チラシにかかる経費を8割近くカットすることができた。
 13年末ごろから、市場に通うようになった。それまでは業者から渡されたリストに必要な数字を書いて注文していた。直接市場に足を運んで商品を自分の目で見る。良いと思えるものを、大量に仕入れて安く売る。その良し悪しを判断する「眼」は、修行した7年間の「経験と勘」がものをいう。
 無論、市場は「新参者」の自分がおいそれと入っていけるほど甘い世界ではなかった。「まずは自分を知ってもらうこと」を考え、あえて頭を金髪にしてパーマをかけてみた。誰よりも大きな声を出した。いろんな人に自分を売り込む一方で、どういう仲買業者とならうまくやっていけるのかを真剣に見極めた。
 様々な営業努力が実を結び、14年以降からは売り上げも順調に伸び、開店1周年を過ぎた今は「ようやく落ち着いて生活できるようになりました」と笑顔がのぞく。
 安定してくると、今度は「鹿児島の2号店を出したいですよ」と持ち前のチャレンジ精神が沸いてくる。経理を担当する妹の有希子さんは「ちょっと待って欲しい」と苦笑した。

・「旬のものを安く」
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 米盛さんのこだわりは「旬のものを安く」多くの人に届けることだ。薄利多売で、いろんな商品を回転させる。自分の目で見極めるのに市場に通うのは、旬の良いものを見極める上で大いに役立った。特に野菜はこだわり、店舗の横の倉庫のスペースに市場のように並べて重点的に扱っている。
 仲買業者が50円で売りたいものを、9円で仕入れる。それを可能にするために、米盛さんは市場に通い、広く深い人間関係を築いてきた。こちらの希望を聞いてもらう一方で、業者が扱いに困って大量に処分したい商品を断らずに引き受けたりもする。そんな人間関係を大事にしてきた。

 「お店の雰囲気が好き。野菜やお花が安く買えるので、きょうはどんなものがあるか、楽しみにしています」

 近所に住む主婦の小玉ヒロ子さんは言う。紫原に住んで40年近く。夕食をどんなメニューにするかは、野菜の値段が基準になる。消費増税となった昨今は、そのあたりのやりくりも主婦の肩にかかってくる。良い野菜が安く買えるここを重宝しているという。

 大資本による大型店の登場で、業界全体でも、小規模店や個人商店などは、生き残りをかけて相当な企業努力をしなければ淘汰される時代だ。だからこそ米盛さんは「こういう店でなければできないことに、どんどん挑戦していきたい」と燃えていた。

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テーマ:鹿児島 - ジャンル:地域情報

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