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※管理人が奄美新聞に書いたコラムです。
 先日ラジオで江戸川乱歩「少年探偵団シリーズ」についてのトークを聞いた。「少年探偵団」「怪人二十面相」…戦後から高度成長期にかけて、学級文庫には必ず乱歩があり、本が擦り切れるまで皆で回し読みしたという。
 一回り下のバブル期に少年時代を過ごした筆者も、学校の図書館にあった乱歩は一通り読んだ。最初に読んだのは「大金塊」。暗号の謎解きや洞窟探検の物語が冒険心をくすぐった。将来は明智小五郎みたいな探偵になりたいと、鹿児島にはどんな探偵事務所があるか興味がわいて職業電話帳で調べてみた。素行調査や、浮気調査が探偵の本業と知り、興ざめしたことを思い出す。
 大人向けの乱歩作品は、中学生の頃に読んだ。「屋根裏の散歩者」「パノラマ島奇談」「孤島の鬼」などだが、小学生の頃とは真逆の衝撃を受けた。のぞき見、同性愛、楽園願望…少年が憧れた冒険や勧善懲悪の世界とは一線を画している。今でこそ、恥部をあぶり出して人間を描く文学手法と理解できるが、多感な少年期には受け入れられなくて嫌悪した。それでいてなぜか忘れがたく、時折読み返していた。
 少年時代に皆「乱歩体験」があったはずなのに、なぜか語り合おうとしない。作家の西村京太郎や星新一は述懐する。筆者もそうだった。背徳の匂いは胸にしまってこっそり味わう。万人を引きつける乱歩の魅力はそこにあるのだろう。
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テーマ:ミステリ - ジャンル:小説・文学

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