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球夏2015甲子園観戦レポート・鹿実―北海
 それでもこれだけの差がついたのは、要所で鹿実の選手たちがやるべき仕事をやり切ったからだ。
 勝利の立役者は何といってもリードオフマンの有村健太だろう。100周年の開幕ゲーム、王貞治さんの始球式…何か独特な雰囲気が漂っていた中で、初球のチェンジアップを見事にライト前に弾き返した。
 「初球を狙っていた」と談話で述べていたが、直球を張っていて相手の決め球のチェンジアップにしっかり対応できたところが見事だった。
 本来はエース番号を背負っていた有村だが、腰の故障などで春先からマウンドに上がれず、NHK旗ではメンバーから外れる悔しさも味わった。
 「背番号は関係ない。マウンドに上がればしっかり投げて、橋本が投げていれば打ってチームに貢献したい」
 高校野球ドットコムの「野球部訪問」の取材の時に話していたことを思い出す。夏の県大会中は脇腹を痛めて、本来の力を出し切れなかったが、決勝戦でチームに勢いを呼び込む走者一掃の三塁打を放って以降、吹っ切れたものがあったのかもしれない。決勝の前日「お前が打たなければ、このチームは勢い乗れない」と監督に言われたのを発奮材料にして夜バットを振り込んでから何かをつかんだ。「チームに勢いをつける」リードオフマンが最初の打席で仕事をやってのけたことで、ナインの硬さがとれ、19安打18得点の口火を切ったように思えた。
 3回、2打席目も同じくチェンジアップを弾き返し、4番・綿屋樹の2点タイムリーにつなげている。2回は3者連続三振に打ち取られ、先発の山本が調子をつかみそうなところを崩した。4回の3打席目は変わったエース渡辺幹から今度は直球を弾き返して4点目のタイムリーを放っている。序盤は先手をとりながらも、相手の力強い打撃で食いつかれていただけに、チームの勢いを有村が打で継続してくれたのは大きな力になった。その我慢が5回の打者14人、8安打10得点につながった。

 守備で大きな貢献をしたのは遊撃手の長谷部大器だ。2回、一死二塁でセンター前に抜けそうな当たりを追いつき、身体を回転させてしっかり一塁に送球してアウトをとった。抜けていれば1点覚悟の場面だっただけに、ここでしっかりアウトを取って相手に流れを渡さなかった値千金の好守だった。
 「1大会に1個は必ずエラーをしていた」。
 県大会準決勝の後、インタビューしたときにそんな話をしていた。その分、夏は守備で貢献したいと相当な練習を積み、自信を持って大会に臨んでいた。その姿を甲子園でも見ることができた。7回には二遊間の当たりをダイビングキャッチ。倒れ込んだまま、グラブトスで二塁転送し、併殺を決めたプレーも見事だった。

 開会式直後の独特の雰囲気の中でも「選手たちが落ち着いて、集中してやれていた」と宮下監督は言う。
 140キロ台の直球に、110-120キロ台のチェンジアップ、スプリットと2、30キロの緩急差で攻めてきた相手投手に対して、振らされることなく、しっかりと低く鋭い打球を最後まで打ち返し続けていた。ただ打つだけでなくスクイズや、盗塁、エンドラン、積極的な走塁など打線がつながる要素をしっかり継続できた。相手が序盤、ワイルドピッチ、パスボールと分かりやすく落ち着かなかった中で、どっしりと野球をやれていたことが何よりの勝因だった。

 宮下監督は自身が現役だった頃、春センバツでは開幕戦を引き当て、夏には先頭打者ホームランも打っている。そんな「遺伝子」はしっかりと教え子にも引き継がれていると感じた開幕戦だった。

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テーマ:高校野球 - ジャンル:スポーツ

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2015/08/08(土) 15:02:53 | | #[ 編集]
Re: お疲れ様です
ご指摘、ありがとうございます。これは私が書いた文章ではなく、ドットコムの編集部で書いた戦評ですね。他にも訂正箇所があるので、あとでこちらから訂正のメールを送っておきます。
2015/08/09(日) 21:10:08 | URL | 政純一郎 #-[ 編集]
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2015/08/10(月) 17:23:44 | | #[ 編集]
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