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第137回九州地区高校野球第4日
鹿実、逆転負けで決勝逃す
151028-13鹿実3点目_035
【準決勝・鹿児島実―海星】1回表鹿実二死満塁、8番・井戸田貴が中前適時打を放ち、3―0とする=県立鴨池

 第137回九州地区高校野球大会第4日は10月28日、鹿児島市の県立鴨池球場で準決勝2試合があった。
 鹿児島実が海星(長崎1位)と対戦。初回に4番・綿屋主将の右前適時打などで4点を先制したが、四回に集中打を浴びて逆転された。八回に代打・加川の内野安打で1点差まで詰め寄ったが、あと一歩及ばなかった。
 最終日は29日、同球場で午後0時から秀岳館(熊本1位)―海星の決勝がある。


詳細な観戦レポートと写真は「高校野球ドットコム・鹿児島版」に掲載!


◇28日の結果
・準決勝(県立鴨池)
秀岳館 6-1 日南学園
海星 6-5 鹿児島実

◇29日の試合
・決勝(県立鴨池)
12:00 秀岳館(熊本1位)―海星(長崎1位)

4点リードで「気の緩み」
鹿実

151028-12鹿実・綿屋先制タイムリー_035
 先手をとったのは鹿児島実。初回、今大会絶好調の綿屋樹主将(2)=写真左=のライト前タイムリーを皮切りに、打者10人を送り、4安打を集中して4点を先取。海星の先発左腕・春田剛志(2年)を早々にマウンドから引きずり下ろした。
 海星は2回、8番・宮本文徳(2年)のレフト前タイムリーで1点を返すと、4回は先頭の3番・小畑翔大(2年)のレフトオーバー二塁打を皮切りに、5番・永石拓武(2年)の犠牲フライで2点差とし、7番・小川大夢(2年)が左中間三塁打で同点に追いついた。暴投で逆転に成功すると、1番・服部貫太(2年)にも内野安打のタイムリーが出て、この回、打者11人をつぎ込んで一挙5点を奪って試合をひっくり返した。
 1回途中からのロングリリーフとなった2番手・土谷一志(2年)が2回以降、鹿児島実打線の反撃を1点で食い止め、勝利に貢献した。

 初回に幸先良く4点を先取した鹿児島実だったが「あの4点で逆に気が緩み、集中をそいでしまった」と宮下正一監督は悔やむ。
 各選手に思い当たる節があった。5番・追立壮輝(2年)は2回、4番・綿屋が歩かされて一二塁となった場面で、初球を簡単に打ち上げてしまったことを悔やむ。「4点とった安心感で次の1点をとりにいく必死さが足りなかった」。2回以降、2番手・土谷を打ちあぐね、攻撃の流れを絶たれた。
151028-14鹿実・丸山_035
 先発したエース丸山拓也(2年)=写真=は「ボールが全体的に高かった」ことを反省する。先制して気持ちは楽に投げられたはずなのに、どこか腹を決めて投げられていなかった。4回には2つのバント処理でもたついて内野安打を許し、走者がたまったところで7番・小川に痛打された。
 試合後、宮下監督から名指しで厳しく言われたのは、捕手・井戸田貴也(2年)だ。4回は先頭の3番・小畑に対して、追い込みながら内角で勝負にいって二塁打を浴びた。事前の分析で、徹底した外角勝負と決めていたはずなのに、「なぜあそこで冒険してしまったのか、自分でも分からない」と振り返る。小川に長打を浴びて同点に追いつかれ、代わったばかりの谷村拓哉(2年)のボールを後ろにそらし(※記録は暴投)、勝ち越された。「2人のボールの違いは分かっていたのに準備不足だった」。
 8回一死一三塁とようやく一打同点、逆転の絶好機を作って、4番・綿屋主将に打席が回ってきたが、初球を打ち上げてショートフライ。「内角はこないと思って外角を流すイメージはできていたが、自分が決めようと力み過ぎた」と反省する。「あそこで打てる4番にならなきゃだめだ!」と指揮官は心を鬼にして叱咤した。
 「4強入りしてセンバツが見えてきて、気持ちにどこか緩みがあって、準々決勝のような感じでチーム全体が試合に入れなかった」と井戸田貴は言う。綿屋主将の後を打つ打者の勝負強さ、バッテリーの向上、内野守備の連係、流れが悪い時にどう立て直すか…勝っているときには見えなかったチームの課題が浮き彫りになった。綿屋主将は「あのとき負けたから、今があると思えるように、冬のトレーニングで厳しく追い込んでいきたい」と敗戦から得た教訓をかみ締めていた。

巧打の陰にノーステップ打法
秀岳館

151028-1秀岳館先制タイムリー_035
 秀岳館は初回、一死満塁と先制のチャンスに5番・堀江航平(2年)がセンター前に2点タイムリー=写真=を放った。7番・天本昂佑(2年)にもレフト前タイムリーが出て、初回で3点を先取した。
 2回は二死からエラーと盗塁で得点圏に走者を進め、3番・木本凌雅(1年)のライト前タイムリーでそつなく4点目を挙げ、序盤で主導権を握った。
 日南学園は4回に反撃。一死一二塁のチャンスを作ると、7番・芳賀憲伸(1年)がセンターオーバー二塁打を放って1点を返した。
 なおも二三塁と一気に点差を詰めるチャンスだったが、秀岳館・鍛治舎巧監督は先発の左腕・中井雄亮(2年)から、背番号13の左腕・川端健斗(1年)をリリーフに送る。川端が後続を断ち、1失点でしのいだ。「中井も、川端も今大会初登板だったが、よく抑えてくれた」(鍛治舎監督)。
 秀岳館は7回、5番・堀江のライトオーバー三塁打とエラーで2点を追加すると、その裏からエース有村大誠(2年)をリリーフに送り、日南学園に反撃の機会を与えず、5点差を守り切った。

151028-5秀岳館・鍛治舎監督_035
 社会人野球で活躍し、甲子園の解説でもお馴染みだった鍛治舎監督=写真=の率いる秀岳館の試合を初めて観戦した。たいていの監督はベンチの隅、バットケースの横当たりで采配するが、ベンチのど真ん中にどっかりと腕を組んで指揮する姿は独特の雰囲気があった。
 全体的にはそつのない試合巧者ぶりを感じた。ひとつ、目を引いたのは2ストライク追い込まれてからのヒットの多さだった。この試合11安打したうちの、5本は追い込まれてから打っている。初回の堀江のタイムリー、2回の大木のタイムリー、7回に追加点の口火を切る4番・九鬼隆平主将(2年)のライト線二塁打など、大事な局面で出たヒットだ。
 「追い込まれたら、打席の後ろに立ってノーステップで打つ。これがチームの決まり事なんですよ」
 試合後、九鬼主将が教えてくれた。2ストライクまでは自由に打っていいが、追い込まれたらチーム打撃に徹する。「これは4番の九鬼でも同じです」と鍛治舎監督。
 この打法はかつて社会人野球の指導者をしていて、日本代表コーチをして海外のチームと対戦した時に編み出したものだと鍛治舎監督が解説してくれた。コツは打席の後ろに立ち、体重を9対1の割合で後ろに残し、左打者はショートの、右打者はセカンドの頭上を狙ってノーステップで打つのだという。外国人投手の剛球に対抗するために編み出した打法だった。
 「相手の森山君(弦暉・2年)はチェンジアップが良くて、うちの打者も何度も空振りしていた。それだけに序盤でしっかりタイムリーが打てたのは良かった」と鍛治舎監督。決勝戦もどんな野球をみせてくれるか、楽しみだ。

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テーマ:高校野球 - ジャンル:スポーツ

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