延長14回、3時間29分死闘制す!


第122回九州地区高校野球大会鹿児島県予選最終日は4月10日、鹿児島市の県立鴨池球場で決勝があり、神村学園が延長14回サヨナラ勝ちで樟南を下し、4季ぶり3回目の栄冠に輝いた。
第1、2のシード校同士の頂上対決は、神村・永石、樟南・辻野、両エースを中心に緊迫した守り合いとなった。神村は1―2と1点差で迎えた八回、四番・鶴田都貴のソロアーチで同点に追いつき延長戦へ。延長十四回、諏訪原豊の左適時打=写真下=で3時間29分続いた死闘を制した。樟南は六回に逆転して以降押し気味に試合を進めたが、終盤の拙攻が響いた。
神村、樟南とセンバツ出場の鹿児島工の3校が九州大会(4月19―24日・長崎)に出場する。
◇10日の結果
・決勝(県立鴨池)
神村学園 3−2 樟 南(延長14回)
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樟 南 000 002 000 000 00=2
神村学園 000 010 010 000 01=3
(延長14回)
「やればできる」を証明
神村



お互いの持ち味を出させまいとする意地がぶつかり合い、緊迫したハイレベルな一戦だった。神村学園が延長14回、3時間29分に及んだ樟南との死闘を制した。
初回から相手より多くチャンスは作りながらも、巧守に阻まれ続けた中で、打の突破口を開いたのは主砲・鶴田都貴だった。五回の好機に先制の左前適時打を放ち、1点ビハインドで迎えた八回には先頭打者で同点弾を左翼席に放り込んだ。2本の適時打は「『悔しさ』が奮い立たせてくれた」と鶴田。四回の2打席目、外角一辺倒の配球を逆手に取り、外角球を踏み込んで打とうと張っていたら、内角に沈むボールに空振り三振を喫した。リベンジに燃えた第3打席で、カウント2―3から唯一真ん中外寄りに甘く入ってきたスライダーを左前に弾き返した=写真中=。「調子は良くない中で、大振りにならずにうまく外目の球に対応できた。この打席で打てたことが次のホームラン=写真下=につながった」(鶴田)。
守備では、終盤に樟南得意のバント戦法を封じた粘りが見事だった。八回表一死一三塁のピンチは、相手のスクイズを読み切って3バント失敗で打ち取った。延長十二、十四回は、いずれも無死から出した走者をエース永石和輝が落ち着いたフィールディングで封殺し、進塁を許さなかった。準決勝の鹿児島商戦はバントで揺さぶられたことからして、樟南がバントを使ってくることは十分に予想できた。永石は本来フィールディングの下手な投手ではないが、準決勝は初戦以来の久々の登板で戸惑った。「ゆっくりしたボールでわざとバントをさせて、先の塁で刺すことを狙っていました」と永石。ミスが出ながらも我慢して守り、攻撃で粘り、全員で頑張ったことが十四回、諏訪原豊のサヨナラ打につながった。
大会前にチームの大黒柱だった長澤宏行・前監督を失い、何かと周囲が騒がしかった中で「結果を残したい」という思いでこの春を戦ってきた。エース永石は「この大会は絶対に優勝すると長澤監督と約束した」という。4回戦の大島戦は4点差をひっくり返されて敗北寸前まで追い詰められたが、辛うじて勝利を収め「大島戦が生きている。必死で野球をやることを思い出させてくれた」(山本常夫監督)。準決勝、決勝はいずれもきん差の勝負をものにした。両者実力伯仲だった決勝は、一年生大会で敗れた樟南に借りを返したいという執念がわずかに勝った。今大会の最大の収穫は「『やればできる』ということを選手が証明してくれた」(山本監督)ことだった。
「自分たちの野球やりきれず」
樟南



六回に逆転し、押し気味に進めていた樟南だったが、終盤力尽きた。
「送るべきところを送れなかった。攻めの守りができなかった。最後まで自分たちの野球がやりきれなかった」と榎本亮主将は淡々と敗因を語った。終盤、再三訪れた追加点、勝ち越しのチャンスにスクイズ、送りバント失敗が響いて得点できなかった。再三好守をみせて神村の攻撃野球を封じていたが、延長十四回は左翼手が前に落ちる打球を中途半端な判断で打球を後逸し、結果的にこれが決勝点につながった。
敗れはしたものの、樟南らしい緻密な野球は随所に発揮された。二回は二死から初めて打たれた長打を見事な中継プレーで刺した。六回の逆転劇は四番・村田崇がバントを決めて呼び込んだ。十二回裏一死満塁と絶体絶命のピンチも「打たれてもいいから自分の持っている一番いい球(内角直球)で勝負し」(榎本)四番・小原圭人を三ゴロ、本塁併殺で切り抜けた=写真=。課題は多く残るも、往年の樟南野球復活の兆しが見えた今大会だった。
【熱戦フォトグラフ】
【決勝・樟南―神村学園】1回表樟南一死一三塁、一走・榎本が飛び出す間に三走・田中が本塁をうかがうも好返球に阻まれタッチアウト。捕手・鶴田。

【決勝・樟南―神村学園】2回表樟南無死一塁、田原のバントを捕手・鶴田の好判断で二塁で封殺。

【決勝・樟南―神村学園】2回裏神村二死、永石が右中間に長打を放つも、見事な連携で三塁タッチアウト。三塁手・宝満。


【決勝・樟南―神村学園】5回裏神村二死一二塁、鶴田の左前適時打で二走・上地が先制のホームイン。

【決勝・樟南―神村学園】6回表樟南一死一二塁、榎本の左前適時打で二走・宝満が同点のホームを踏む。


【決勝・樟南―神村学園】6回表樟南一死一二塁、村田の犠打が敵失を誘い、2−1と勝ち越す。


【決勝・樟南―神村学園】8回表樟南一死一三塁、スクイズを試みるも失敗。

【決勝・樟南―神村学園】9回表神村二死一塁、一走・寺田が二盗を試みるもタッチアウト。遊撃手・大迫。

【決勝・樟南―神村学園】14回表樟南無死一塁、送りバントを試みるも永石の好フィールディングで二塁フォースアウト。遊撃手・寺田。

【決勝・樟南―神村学園】14回裏神村一死、寺田の左前打が敵失を誘い、一気に三塁へ。

【決勝・樟南―神村学園】14回裏神村一死三塁、諏訪原のサヨナラ打で三走・寺田がサヨナラのホームを踏む。


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