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スポーツコラム「年中夢求」第30回
鹿児島サッカーの「グッドスタンダード」を!
2017・鹿児島Uに期すること

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 12月14日、鹿児島ユナイテッドFCの来季の指揮を執る三浦泰年監督の就任会見があった。三浦監督といえば、現役最年長Jリーガー、「キング・カズ」こと三浦知良の兄であり、今季は鹿児島Uが歴史的なJ3デビュー戦で対戦したカターレ富山を率いていた。試合後の記者会見でその件を尋ねると「スタンドの雰囲気も含めて日本のサッカー界にとって大きな存在になりそうな空気感を感じた」という。来季、三浦監督には日本のサッカー界にも存在感を示せるようなサッカーを期待したい。

 就任会見で「サッカー以外も含めた鹿児島の印象は?」との質問に「桜島の降灰」や「台風の通り道」という一般的なイメージもあるが「サッカー王国」の印象が強いと言う。その根拠は「鹿児島実が全国高校選手権で優勝するなど育成世代が全国優勝を狙える位置にあり、日本代表やJリーグに数多くの選手を輩出している」点を挙げていた。三浦監督に限らず、「鹿児島のサッカー」について県外の人が抱く一般的な印象だろう。真っ先に名前が挙がるチームは鹿実であり、優秀な人材の輩出県であるということだ。

 ただ鹿児島で長年サッカー取材をしている感覚からすると、この認識との間に微妙な「ズレ」を感じる。高校サッカーに関して、鹿実は05年の選手権で優勝、06年で準優勝した時期が一つのピークであり、08年に初戦敗退して以降、選手権に出場していない。この10年間に関しては、新たに台頭した鹿児島城西、神村学園の「2強時代」といえる。
 神村学園は初出場の06年にベスト4、10年にベスト8、鹿城西は09年に準優勝と実績を残した。大迫勇也を擁して決勝まで勝ち上がり、対戦相手の選手が「大迫、ハンパない」とロッカールームで涙した映像が印象深い。だが11年以降は、13年の鹿城西のベスト16が最高成績で、あとは初戦敗退と厳しい戦いが続いている。Jリーガーは毎年出ているが、大迫以降、日本代表クラスの選手は出ていない。
 この5年間に関しては、高校サッカー以上に鹿児島にもようやくJの道筋ができたことの方が印象深い。九州リーグでしのぎを削ってきたヴォルカ鹿児島とFC鹿児島が13年、「大同団結」に合意し、14年に鹿児島Uが誕生した。14、15年の2年間をJFLで戦い、16年、全国で53番目のJクラブとしてJ3に参戦した。鹿児島に住む人間としてはこれだけでも「歴史的な出来事」だが、全国的な視点から見れば「未だJ3」である。

 逆に私自身が「○○県のサッカー」についての印象を聞かれたら、どう答えるだろうか? 「東京」と言われれば、「帝京」よりも「FC東京」や「東京ヴェルディ」を思い浮かべる。「長崎」も10年前なら「国見」が真っ先に浮かんだが、今は「Vファーレン長崎」が出てくる。「岩手」には「グルージャ盛岡」があって、鹿児島から移籍したFW谷口堅三がいて、先日のホームゲームで対戦したことを思い出す。「静岡」には「清水エスパルス」「ジュビロ磐田」のJ1クラスがあるだけでなく、J3に「藤枝MYFC」があり、来季からは「アスルクラロ沼津」がJ3に昇格する。1つの県だけで4つもJクラブを抱えていることに、ただただ驚愕する。
 その地域のサッカーについて、高校よりもJのクラブ名が出てくるようになったのは、むしろ望ましいことだといえる。Jリーグが誕生して23年、掲げた「百年構想」「地域密着」の理念が全国各地に広がり、浸透したことの証だ。鹿児島が真の「サッカー王国」として復権できるかが、鹿児島Uにかかっている。

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 就任会見で三浦監督は「鹿児島Uにしかできないサッカーを追求し、鹿児島のグッドスタンダードになれるサッカーを目指す」と語った。「グッドスタンダード」とは、鹿児島でサッカーをする小中高校生が「鹿児島Uのようなサッカーをやりたい」と胸を張っていえるようなお手本になるサッカーをすることだ。2017年は鹿児島Uが鹿児島の「グッドスタンダード」になる第一歩を踏み出す年になることを期待している。

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テーマ:Jリーグ - ジャンル:スポーツ

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