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奄美春秋



※管理人が奄美新聞に書いたコラムです。

 昨年末、世界自然遺産に関する会議を取材した。奄美・沖縄の世界自然遺産登録に向けて、候補地となる市町村の首長や、環境省、林野庁など17の関係機関が一堂に会して、2018年夏の遺産登録を目指して今後の取り組みなどについて話し合った。
 世界自然遺産登録はこの地域にとって悲願である。しかし、「諸刃の剣」であることも忘れてはならない。実現すれば、国内外に知名度が高まり、観光客が増加して交流人口が増えるなどの大きなメリットがある。一方で人が増えれば、それだけ貴重な自然が破壊されるという危険性も増す。
 崎原地区の産廃処分場問題や、中部採石場から赤土の流出が起きていることや、石材を沖縄に移送した際に特定外来生物の「ハイイロゴケグモ」が確認されたことなどの問題も気になるところだ。人が増え、産業が発展し、経済が潤ったとしても、自然が破壊されてしまえば、そもそもの価値がなくなってしまうことを肝に銘じる必要がある。
 この地域の特色は「人里に近いところに世界に類を見ない貴重な自然が古くから残されている」ことだと科学委員会副委員長の米田健・鹿児島大名誉教授は言う。この地域に昔から住む人たちが、自然と共生して独自の文化を築き、守り育ててきたことを意味する。自然保護と経済発展、相矛盾する2つの命題にどう取り組んでいくのか、今後も注目していきたい。
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