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ひと紀行「夢念夢想」第6回・後編
「チームを勝たせる選手になる!」
新天地・青森での決意!
鮫島和人(鹿児島レブナイズ→青森ワッツ)

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 そんな状況でも「本物のプロ」と呼べる選手や仲間の存在が支えになった。1年目にプレーしたルーク・エヴァンスには大きな影響を受けた。「どんなにきつい状況でも、給料が遅配されても、ルークは絶対に練習を休まなかった」。毎朝必ずルークから「練習やるぞ」とラインを受け取り、車で迎えに行く。健康の森公園でシューティング練習、プールで泳ぎ、ジムでフィジカルトレーニング…ハードなメニューを欠かさなかった。1年目からアシスト王を獲れたのは「ルークのおかげ」だ。「いいぞ! その調子だ」と常に前向きなメッセージを発するルークにプロのあるべき姿を学んだ。


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 2年目のレブナイズでは、主将を任され「日本一伸びしろのあるチーム」の心意気でB2に果敢に挑んだが、外国籍選手の突然の離脱やサボタージュなどのアクシデントが続き、チーム存続の危機にも立たされた。
 そんな中でGMとしてチームと会社との橋渡しで孤軍奮闘し、プレーヤーとしても泣き言ひとつ言わずに日々接していたベテラン林亮太の存在に勇気づけられた。何より、心折れてもおかしくない状況の中で「日本人選手たちがひとつにまとまっていた」ことで1シーズン戦い抜くことができた。同い年の松崎、藤田、安慶はもちろん、ベテラン・中園、林や山下、玉田、ルーキー山田、頭山…レブナイズ1年目の日本人選手たちは皆、ここでやっている鹿児島スタイルの泥臭いバスケットに共感し、このチームでプレーできることに誇りを持っていた選手たちだった。

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 様々なアクシデントに見舞われながらも、2月には3人目の外国籍選手・ギルが加入し、それまでいたマドゥアバム、マーフィーの2人もようやくチームにフィットし、チームとしての完成形に近づいたのが3月終わりと4月頭だった。3月末に出水であった愛媛戦、4月に鹿児島アリーナであった香川戦で勝利し、結果も出始めた矢先、再びマドゥアバム、マーフィーの2人が戦線を離脱。紆余曲折を経てようやく「光」が見えたと思えば、違う「闇」がやってくる。その繰り返しで「先の見えないシーズン」だったことを象徴するように、香川戦で勝利して以降は結局1勝も挙げられず「全てが未完成のままで終わってしまった」シーズンだった。
 2人が離脱して11人で戦った約1カ月は勝ち星こそなかったが「一番やりやすかった」。島根、熊本、広島、シーズン開幕時は全く歯が立たなかった格上の相手に対しても、勝てないまでも「通用する手応え」を感じられる時間が徐々に長くなった。最終戦の島根戦には2人も戻って13人で戦えたのは喜びだった。第3クオーターの10分間は首位・島根を圧倒し、逆転可能な点差まで詰めることができた。第4クオーターで再び離されかけたとき、安慶と起死回生のタップを試みる。決まっていれば一気に流れを手繰り寄せられたビッグプレーだったが決まらず、力尽きた。「いつかB1ファイナルを争う舞台でこの技を安慶と決めて『あの時は外したね』と笑って言える選手になりたい」と誓った。

 7月から新天地・青森へ。住まいはホームアリーナの近く。トレーニングして、チーム練習して、身体をケアする。当たり前のプロ選手の生活は「朝起きてから寝るまでバスケットのことだけを考えられる」のが何より嬉しい。通帳を記帳して必ず給料が振り込まれていることが嬉しいとチームメートに話したら「そんなの当たり前だと笑われた」。
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 環境的には恵まれているが、コート上では自分らしいパフォーマンスができず苦しんでいる。10月27日にアウエーであった福岡戦では第2クオーター残り6分43秒でコートに立ち、果敢にドライブしてジャンプショットを決め、今季初得点を挙げると、3ポイント、アウトサイドショットを立て続けに決めた。だがヘッドコーチの佐藤信長は「私が期待しているパフォーマンスにはまだほど遠い」と厳しい。得点以上に味方を生かし切るプレーを期待しているがまだその域に達していない。腰の状態が悪く、満足にプレーできないコンディションであることは考慮しつつも「期待しているからこそ、厳しく接しています」と力を込めた。
 チームにどうアジャストしていくか、なかなか答えは見いだせないが「同じPGでアイシン時代に日本一を経験した佐藤さんから学ぶことがたくさんある」と目を輝かせる。レブナイズで53回負けた試合を経験したから、どんな時間帯のプレーや雰囲気が負けにつながるかを熟知している。その裏返しで「勝利につながるプレー」でできることを身に着けるのが今の課題だ。

 福岡の会場に「微力は無力ではない」のレブナイズTシャツを着た4人の女性を見かけた。レノヴァ時代からのファンではるばる鹿児島から応援に駆け付けたという。バスケット経験者の林みなみさんは「鮫島選手らしい腰の低いディフェンスはさすがでした。コート上では誰よりも声を出してチームを盛り上げていました」と感想を話していた。

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 【プロフィール】さめしま・かずと。1992年11月7日生まれ。清水中、鹿児島工高、日本経済大卒。レノヴァ鹿児島、鹿児島レブナイズで2年間プレーし、17年シーズンから青森ワッツへ移籍。

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テーマ:バスケットボール(日本) - ジャンル:スポーツ

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