鹿児島U

サッカーの2018J3リーグ第31節は11月10日、1試合があった。鹿児島ユナイテッドFCは鹿児島市の白波スタジアムでFC東京U23と対戦。苦しみながらも2―1で勝利し、悲願のJ2昇格に向けて貴重な勝ち点3を積み上げた。
前半35分に先制点を許した鹿児島Uだったが、その3分後、左サイドからMF中原秀が上げたクロスが相手DFのクリアミスを誘い、オウンゴールで同点に追いついた。後半、互いに勝ち越し点が奪えなかった中、終了間際に3連続CKのピンチもGKアン・ジュンス、DF藤澤らの身体を張った守備でしのぐ。アディショナルタイムに左サイドFKの好機を途中出場のFWキリノが決め、劇的な逆転勝利を挙げた。
鹿児島Uの通算成績は14勝9分6敗、勝ち点51で2位をキープ。第32節は17日、藤枝MYFCとアウエーで対戦する。
◇第31節
鹿児島U 2-1 F東京23
(1-1、1-0)
・得点者【鹿】オウンゴール、キリノ【東】原
※試合の詳細はJリーグ公式サイトで!

鹿児島U
リーグ戦は残り4戦。「試合を決めるカギは判断と精度」と鹿児島U・三浦泰年監督は言う。苦しい試合だったが、試合終盤の土壇場で、攻守にわたる的確な判断と精度の高いプレーで劇的な勝利をものにした。
相手は下位とはいえ、J1の下部チームであり、技術が高くGKも含めて180cm超のスタメン選手を7人そろえる大型チーム。「難しい試合になることは分かっていた」(三浦監督)。思い切りの良い先制ゴールを決められ、すぐさまオウンゴールで同点に追いついたが、後半は我慢の展開が続いた。
終盤はボールを支配し攻勢に出るも、相手GKの好守に阻まれる。逆に終了間際の時間帯は相手に押し込まれ3連続CKのピンチを迎えた。3試合ぶりのスタメンだったGKアンジュンスは「この3週間の間でしっかり準備してきた」という。相手GKのように思い切って飛び出して防ぐか、しっかりポジショニングして守るか、判断の難しい場面だったが後者を選択。枠内に飛んだシュートをことごとく弾き返した。1本だけ懸命に差し出した右手を抜けたボールがあったが、後ろに控えていたDF藤澤典隆がかき出した。
キリノの劇的な勝ち越しゴールはアディショナルタイムに藤澤のFKから生まれたものだ。再三のセットプレーのチャンスをものにできず「焦っていた部分もあった」藤澤だが、この場面では「GKが飛び出せず、味方が先に触れる」絶妙の位置に精度の高いクロスを上げることができた。「ボールが完璧だった」ところに飛び込んだキリノは頭で合わせるだけでよかった。
首位・琉球が前節で優勝とJ2昇格を決めたため、昇格枠は残り1つ。厳しい争いとプレッシャーがかかるが三浦監督は「この時期に昇格争いができることを幸せに感じてプレーしなければ」と説く。キリノは「気持ち良いプレッシャーを感じているよ」と笑った。
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