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南部九州総体にかける!・田中(奄美新聞掲載)
感謝の気持ち、忘れず
目指すは「全国制覇」
田中天智龍(鹿児島南)

181213新年号・田中01

 「人の縁はどんなところでつながるか、分からないものですね」
 鹿児島南・新開浩一監督は感慨深げに振り返る。初めて田中を「見染めた」のは2年前の県中学総体だった。目を引いたのは「走り」ではなく「歩き」。四百リレーで朝日中のアンカーだった田中が、スタートの目安となる場所にテープを張るため歩測していた姿を、競技場上の放送室から何気なく眺めていた。
 「スマートで、脛から下が長く、良い脚をしている。鍛えればモノになる」
 長年の経験から直感が働いた。聞けば元々野球部員で、本格的な陸上経験はほとんどないが、高校では陸上に転向することを考えているという。そんな選手が18年10月のU18日本選手権の四百障害で3位。南部九州総体で上位を狙える逸材へと成長した。高校生の持つ無限の可能性、それを引き出すきっかけやチャンスは、いろんなところにヒントがあると新開監督は実感している。




・元野球少年

 野球好きの父・博喜さんの影響で小4から野球を始めた。ポジションは投手や遊撃手。中2の秋は県大会で4強入りするなど実績もあった。高校の進学は「野球」で考えていたが、中3の総体はまさかの地区予選敗退。県大会に出られなかった。
 中学の部活動が不完全燃焼で終わってしまうことが不本意で陸上にチャレンジする。野球部員だったが、中2から陸上の大会にもハードルで出ていた。専門的な練習はしていなかったが、最後の県総体に出るために、野球が負けた後、津村陸上クラブで練習をするようになった。
 「クラブの練習が楽しかった」。地味なトレーニングが多い陸上の練習だが、一緒に野球をしていた田代優翔と冗談を言い合いながら切磋琢磨するのが楽しかった。津村照弥監督が考える練習メニューも工夫が凝らされていて飽きることがなかった。
 新開監督が「見染めた」中3夏の県総体では百十障害に出場。予選第5組を走り「8台目までトップを走っていた」が9台目で転倒し、決勝に進めなかった。苦い思い出となったが「このままでは終われない」気持ちは更に強くなり、夏休みも練習して8月末のジュニアオリンピック県予選に再挑戦。見事3位入賞を果たした。高校は野球ではなく「陸上でハードルをやる」気持ちが固まり、実績は全くないにも関わらず声を掛けてくれた新開監督が指導する鹿南に進学した。

・高い志

 「高校に入る前から四百障害をやると言っていたのが驚きだった」と新開監督。陸上の中でもスピードと持久力の両方が求められ、更には10台のハードルを越えなければならない四百障害を自ら進んで挑戦する選手は少ないという。
 「歩き方」に光るものはあったが、百でトップを目指すような絶対的なスピードはない。どうせ陸上をやるなら全国でもトップを狙えるような種目を考えたときに「競技人口が少ない四百障害なら可能なのではないか」と津村監督とも話をして、入学前から決めていた。
 1年の県総体では全く通用せず、悩んだ時期もあったが、1年秋の新人戦では優勝しその選択が間違っていなかったことを証明してみせた。だが、九州総体ではやはり通用せず予選落ち。一念発起し、冬季は毎朝6時に学校にやってきてハードリングのドリルなど朝練習を続けた。
 その成果もあり、2年目のシーズンは県内で負けなし。南九州では3位入賞しインターハイにも出場した。全国では予選で52秒94の自己ベストを出し準決勝進出。10月のU18日本選手権では予選で52秒51と更に自己記録を更新し、前述したように決勝で3位入賞を果たした。高い志と日頃の努力が結実し、陸上を始めて2年あまりで全国クラスの選手へと成長した。

・ライバルが刺激

 19年の南部九州総体で全国制覇を夢見るが、同じ九州の同学年に強力なライバルがいる。出口晴翔(東福岡)はインターハイ覇者でブエノスアイレスであったユース五輪にも出場した。185cmの長身で日本陸連が選ぶダイヤモンドアスリートにも選ばれた逸材である。南九州で競り合う米田太陽(九州学院・熊本)は出口が出場しなかったU18日本選手権を制した。
 「きつい練習でも出口君の顔を思い浮かべると頑張れる」と笑う。挑む山が高ければ高いほど、やる気が出てくる。今、ハードルとハードルの間を15歩で走っているが、これを13歩にする練習に取り組んでいる。ストライドが広がり、スピードも上がる分、身体への負担も大きくなる。それに耐えられるだけのスピード、持久力、筋力をつけ一枚も二枚もレベルアップすることにこの冬は取り組む。
 記録や順位を目指す原動力になっているのは「支えてくれる人への恩返しの気持ち」だ。島から送り出してくれた両親、津村監督、鹿南のチームメート…様々な人の支えの気持ちを胸に、夏花開くことを夢見る。

181213新年号・田中02
 【メモ】たなか・てんじろう。2001年7月17日生まれ。奄美市出身。朝日小、朝日中卒。鹿児島南高。

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テーマ:ランニング - ジャンル:スポーツ

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