鹿水産、粘り及ばず

【2回戦・伊集院―沖永良部】3回表伊集院二死三塁、6番・吉永が右前適時打を放ち4点目=平和リース
第101回全国高校野球選手権鹿児島大会第7日は7月16日、鹿児島市の平和リース、鴨池市民、両球場で2回戦6試合があった。
鶴丸は初回に挙げた2点をエース丸嶺英喜(3年)が5安打に抑える好投などで守り切り、鹿児島工に完封勝ち。第3シード尚志館は鹿児島水産の粘りに苦しみながらも接戦をものにした。樟南、松陽、伊集院、第4シード鹿児島情報はコールド勝ちだった。
第8日は17日、両球場で3回戦6試合がある。
◇16日の結果
・2回戦(平和リース)
松陽 20-9 喜界(5回コールド)
伊集院 8-0 沖永良部(7回コールド)
鹿児島情報 11-1 種子島中央(6回コールド)
・2回戦(鴨池市民)
樟南 10-0 国分(6回コールド)
鶴丸 2-0 鹿児島工
尚志館 6-3 鹿児島水産
◇17日の試合
・3回戦(平和リース)
9:30 徳之島―鹿児島城西
11:50 明桜館―鹿児島玉龍
14:10 鹿児島―古仁屋
・2回戦(鴨池市民)
9:30 神村学園―隼人工
11:50 鹿屋―川内
14:10 志布志―大島

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喜界(奄美新聞掲載)

【2回戦・松陽―喜界】3回表喜界一死満塁、6番・盛崎の犠飛で三走・廣が生還、4―4の同点に追いつく=平和リース
喜界にとっては痛恨の三回裏だった。
表に同点に追いつき、再び1点を勝ち越され、なお無死満塁の場面。7番・室屋が二遊間に打球を放つ。「ワンバウンドで捕球した」つもりだった遊撃手・生田大輔主将はバックホーム。本塁フォースアウトが成立したと思われたが、審判はライナーをノーバウンドで捕球したと判定。三走の生還で犠飛が成立し、一死一三塁から試合を再開するとの説明があった。
であれば、三走や三塁に進んだ二走の離塁が早かったとアピールアウトが狙えたが、アピールしないまま試合再開。しばし試合が中断した間、生田主将は「どんな判定にも対応しなければならない」と気持ちを切り替えていたが、果敢にバントや足を絡めて揺さぶる相手の攻撃に対応しきれず、失点が相次ぎ、この回計11点を失った。
1年生の入部でようやく単独出場が叶い、実戦経験もほとんどないままで迎えた夏。「どんな展開になってもおかしくない」と覚悟はしていた松元修監督だったが「重い流れになってしまった。冷静になってアピールアウトをさせるべきだった」と悔しがった。
それでも喜界ナインは勝負をあきらめず、持ち味の「思い切りの良い打撃」(生田主将)で5点を返した。結果的には五回コールド、試合時間1時間40分で終わった夏は「悔しい」。だが「3年間トータルで振り返れば、喜界で野球をやれて楽しかった」と生田主将。人数がなかなかそろわず、苦しい思いもたくさん重ねてきたが「みんなで乗り越えてここまでやってこれた」ことだけは胸を張って言えた。
攻守でチームをけん引
沖永良部・中山政亮二塁手(熱球譜・奄美新聞掲載)

三回表、エラーで3点目を失った。マウンドに集まった野手陣のところに、ベンチから2年生の松元伸斗が伝令にやってくる。
「気持ちを切り替えて次の攻撃で取り返そう!」
みんな笑顔でリラックスできた。直後の打球は遊ゴロ。3年生遊撃手・勝間からのボールを落ち着いて一塁に送球。併殺で打ち取ることができた。
3年生は3人。前チームの夏を経験しているのは自分1人。隣で守る一塁手・上村は1年生。「ミスしても気にするな」。チームのけん引役として周りに積極的に声を掛け続けた。
相手投手の好投の前に、好機を作りながらもなかなか安打が出ない中、1、2打席連続安打を放つ。1打席目は追い込まれながらも鋭く中前に弾き返し、2打席目は「積極的に打っていく」持ち味を出してファーストストライクを左前に弾き返した。
五回二死一二塁で回ってきた第3打席。初球のカーブを迷わず振り抜く。当たりは悪くなかったが、惜しくも遊撃手の正面で適時打にならなかった。
3年間「1日1日の練習が充実していて楽しかった」。3年生が少なく、練習は厳しかったが「沖永良部島から甲子園」の高い志を掲げて切磋琢磨した日々は、これからの貴重な財産だ。野球の魅力は「チームみんなで一つになって盛り上がれること」。卒業して就職しても軟式野球を続ける予定だ。
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