女子三千・バイレ(神村学園)、男子円盤投・能勢(鹿南)も大会記録更新


第63回鹿児島県高校新人陸上大会最終日は9月18日、鹿児島市の白波スタジアムであった。
女子三段跳は竹元咲(鹿児島)=写真上=が11m86で大会記録を大幅に塗り替え、走幅跳、四百リレー、千六百リレーの4冠を達成した。女子三千のバイレ・シンシア(神村学園)=写真下=も自身の持つ大会記録を約18秒縮める8分53秒45の大会新記録。男子円盤投は能勢未夏海(鹿児島南)が38m80で大会新記録だった。男子学校対抗では鹿児島が初優勝を勝ち取った。
今大会の各種目上位3位(※男女混成は2位)までが九州大会(10月11-13日・鹿児島)に出場する。
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女子三段跳 ①竹元咲(鹿児島)11m86=大会新
右肩上がりの記録更新
竹元
走幅跳が専門の竹元だが、セカンド種目の三段跳で右肩上がりの記録更新をやってのけた。
三段跳に特化した練習はしていなかったが「12m台を狙っていた」という。1本目は11m49で大会記録を15cm更新。2本目は自己ベストタイの11m59、3本目は11m69と10cm刻みで記録が伸びていった。
気持ちも入り、決勝の4本目からは13歩だった助走の距離を17歩に伸ばす。「つぶれてもいいから思い切りいく」意気込みで71、86と右肩上がりの記録更新は止まらない。県高校記録(11m97)の更新と目指す12m台が現実味を帯びた。助走のスピード、ホップ、ステップ、ジャンプと勢いよくいけて、ジャンプで踏み切った瞬間は、前日の走幅跳のように力強く踏み切れた感覚があったが、前日と同じく今までにない高さに空中でバランスを崩し、記録は伸びなかった。
初日の四継、走幅跳に続く三冠を達成。最終種目のマイルはアンカーを走ってアンカーを走る予定だったが、三段跳の後で腰を痛めどうするか迷った。学校対抗で優勝を争う鹿児島南とは僅少差の勝負が続いている。「他の3人が『絶対トップでバトンを運んでくるから』と言ってくれた」気持ちに主将として応えたかった。「約束」通りトップでバトンを受け取りマイルも勝って見事4冠を達成した。学校対抗は鹿南に1点差で涙をのんだが「九州新人、来年の総体、出る種目はすべて勝ちたい」と貪欲な気持ちになれた3日間だった。

男子二百 ①立岡駿(川薩清修館)22秒09 ②先田祥伍(加治木工)22秒24 ③矢野崇宇(国分中央)22秒53
立岡「優勝を狙っていた。向かい風が強かったのでタイムよりも勝負にこだわった。得意のスタートは引くし姿勢で出られて、コーナーからの加速もうまくいった。四継、百、マイルの4冠を目指した中で、四継は取れたが百が2位で悔しかった。マイルは2位だったが苦手だと思っていた種目の一走でしっかり出られて、終盤までリードできたことが自信になった」

女子八百 ①森山七海(鹿児島女)2分15秒70 ②久保心優(神村学園)2分17秒00 ③宇都ひなた(鹿児島)
「自分の走り」取り戻す
森山
1年生の森山が4月の県記録会千五百以来となる優勝。高校生が純然たる県の頂点を目指す大会での優勝は初めてだ。優勝の喜びもさることながら「自分の良い走りを思い出せた」ことに手応えを感じていた。
スタートから積極的に飛ばし、ブレークラインを越えてから先頭でレースを引っ張った。バックストレートは向かい風だったが「きつかったけどスパートすると決めていた」通りにラスト300mでスパートをかけて後続を引き離し、ライバルに勝ち切ることができた。
中学時代は負けなしで先頭を走るのが当たり前だったが、高校入学して環境が変わり、同級生のライバルに負けることもあって自分の走りを見失った。決勝レース前に中学時代のビデオを見直し、「良いイメージを持って走ることができた」と納得の表情で振り返った。
総合力の総合初V!
男子・鹿児島

男子の学校対抗は、6連覇を目指した鹿児島南を抑え、鹿児島が勝ち取った。女子は2年前の新人戦、男子は13年の県総体で優勝があるが、新人戦は初優勝だった。
学校対抗は全種目6位以内のチーム、選手の得点合計で競う。鹿児島の優勝は八種の山下の1つだけだったが、五千と百十障害以外の短距離、長距離、跳躍、投擲の各種目で入賞者を出し、文字通り「総合力で勝ち取った総合優勝」(中江寿孝監督)だった。
「主将を引き継いだのは1週間前からだったが、各ブロックとも総合優勝を目指す気持ちで一丸となった」と湯田周平主将は振り返る。これまで鹿児島はハードル、幅跳、三段跳、混成などが得意種目で、長距離や投擲は「入賞がなくてほぼ0点だった」(中江監督)。今大会は五千競歩の坂口、三千障害の芝上=写真=、円盤投の満永が2位、ハンマー投の小森が3位など長距離、投擲選手の頑張りが総合Vを後押しした。ちなみに女子は1点差で鹿南に競り負けて男女アベックVは逃したが、こちらも各種目満遍なく得点し、四継、マイルのリレー2種目を制し竹元の4冠、上原の3冠など優勝も多かった。
総合力は示したが、全国を狙うような際立った記録を残せなかったことなど反省も残った。湯田主将も百、二百は4位で九州大会を逃すなど「チームに貢献できなかった」ことを悔やむ。今後はチーム内で各ブロックが刺激し合いつつ、個々のレベルアップを目指すことになりそうだ。

男子円盤投 ①能勢未夏海(鹿児島南)38m80=大会新
能勢(大会新も自己記録に届かず)「調子が良くない中で、焦らずにリラックスして臨んだつもりだったが、1本目の入りから軸がズレてしまったのを最後まで修正できなかった。10月の国体の円盤投、U18のやり投で結果を残せるように頑張りたい」

女子三千 ①バイレ・シンシア(神村学園)8分53秒45=大会新 ②黒川円歌(神村学園)9分33秒44 ③小代﨑陽向子(国分中央)9分35秒28

男子八百 ①奥平一真(鶴翔)2分0秒34 ②今村愁(鹿児島)2分0秒48 ③菱沼大晟(鹿児島実)2分0秒61

男子百十障害 ①内村慎(加治木工)15秒28

女子二百 ①川口絵里子(松陽)25秒99 ②伊原こころ(出水)26秒34

女子七種 ①肥後美咲(鹿児島南)3660点 ②藤谷こころ(鹿児島女)3495

男子三千障害 ①宮原大輝(樟南)9分45秒61 ②芝上丞乃助(鹿児島)9分46秒51 ③富永恭平(鹿児島実)9分49秒91

女子千六百リレー ①鹿児島(南、岩橋、上原、竹元)3分59秒14

男子千六百リレー ①国分中央(大西、白木、岩﨑、矢野)3分22秒29 ②川薩清修館3分23秒62 ③鹿児島3分24秒88
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