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現場から(奄美新聞掲載)
「キャッシュレス」社会を考える
求められる変化への対応

191102現場から

 「キャッシュレス」について興味を持ったきっかけは、8月に格安航空のピーチ・アビエーションが奄美と成田、関西空港を結ぶ路線を就航させると発表した時だ。路線就航と合わせて、同社とスマホ決済を扱う「Origami」と地元の奄美信用金庫が連携し、奄美群島のキャッシュレス化を進めていくという。
 目指すのは群島内の経済活性化。島外からやってくる人、中でも海外からやってくる人たちのインバウンド効果を高めるためには、キャッシュレスに向けたインフラ整備が欠かせない。いずれは島内の人たちもキャッシュレスを使いこなせるようになり「奄美群島を『キャッシュレス王国』にしたい」と奄美信金の伊東寛久専務理事は意気込む。




 今や海外からやってくる人たちは、現金ではなく、スマホ決済などを中心としたキャッシュレスが当たり前になってきているという。筆者自身がスマホ決済を使ったことがなかったので、キャッシュレスとはいかなるものか、俄然興味がわいた。

 「マネー=キャッシュだった時代が、マネー=キャッシュレスになる時代がそう遠くない将来にやってきます」
 10月、所属する異業種交流会の例会に、九州経済研究所の福留一郎・経済調査部長を講師に招き、勉強会をした。昨年12月にスマホ決済の「ペイペイ」が100億円還元キャンペーンを実施して以降、日本でも急速にキャッシュレスへの認識が高まった。

 日本では買い物におけるキャッシュレスの浸透度は2割程度とされる。未だに現金の信用度が高いのは、ATMなどの金融インフラが整備されており、紙幣も硬貨も簡単に贋金が作れない精巧なものになっていることなどが理由に挙げられる。日本のGDPは約500兆円。このうちの約100兆円が現金決済で、半分の50兆円は「タンス預金」だという。政府がキャッシュレス化を進めるのは「これを市場に出して経済の活性化につなげたい狙いもあるのではないか」と福留部長は言う。消費増税に伴い、キャッシュレス利用によるポイント還元が盛んに宣伝されていることなどをその実例に挙げていた。

 キャッシュレスが本当に経済活性化につながるかは未知数。今は既存のクレジットカードや電子マネーに加えて、新たにスマホ決済が登場し、様々なサービスが乱立し、収拾がつかない状態になっている。どのようなかたちで落ち着くかは不明だが、間違いなくキャッシュレス化は進む。大切なのは「地域に住む我々にとってメリットのあるものにして地域経済活性化につなげること」を福留部長は強調していた。

 自分なりにキャッシュレスについて考えていく中で、一番の懸案事項は、これからの世代の子供たちに「金銭感覚」や「モノの価値」をどう教えていけばいいかということだった。
 肩たたきをして10円もらう。欲しいものを買うために小銭を貯金箱に貯める…振り返れば我々は硬貨や紙幣、「キャッシュ」を手にすることで、知らず知らずのうちに金銭感覚やモノの価値、働く意義や喜びなどを学んでいた。これがスマホ上の数字のやり取りだけで済むようになったとき、子供たちにそういった感覚をどう教えていけばいいだろうか? 買い物をするために子供に現金ではなく、スマホを持たせる時代になるのだろうか?

 改めて自身の生活を振り返れば、買い物は基本現金主義だが、収入の大半は振り込みである。支出の大きな割合を占める家賃や、電気、ガス、水道などの公共料金は口座引き落とし。航空券やホテルの宿泊費、ガソリン代などはクレジット払い…いろいろ考えると日常生活の7割ぐらいはすでにキャッシュレスになっている。定期的に通帳記帳したり、郵送やメールで利用明細が届くが、「お金を使っている」実感がイマイチわいてこない。キャッシュレスで便利になった反面、この辺の感覚がアバウトになっていないかと危惧する。手間暇かかっても現金をやり取りする中で培われる感覚は、疎かにしてはならないような気がする。

 一方で、毎回の飲み会の後、割り勘で1人〇千〇百円と数字が細かくなり、お札を崩したりして会計に時間がかかるのを見ると、確かに現金は不便なものだという気にもなる。どのような未来になるかは分からないが、キャッシュレス化は進み、「お金」や「モノ」に対する価値観が根本から変わる時代になることが予想される。そういう変化にどう対応していくか。我々の主体性が試される。
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テーマ:キャッシュレス決済 - ジャンル:株式・投資・マネー

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