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心身一如への道・第4回
フルタイムで働きながら日本一を目指す!
鹿児島相互信用金庫軟式野球部

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 「心と体のコンディショニング 心身一如」

 鹿児島県内を中心に、個人でスポーツトレーナーを営む高司譲さんの名詞にこんなフレーズが銘打ってあります。スポーツ選手が持っている能力を最大限に発揮し、最高のパフォーマンスができるためには、心(メンタル)と体(フィジカル)、両面のコンディショニングが欠かせない。高司さんは、仏教用語でいう「心身一如」な状態をいかに作り上げるかをテーマにトレーナー活動を行っています。今回は鹿児島相互信用金庫(そうしん)軟式野球部での活動の模様をレポートします。


※スポーツトレーナー・高司さんの活動を通じて、スポーツ選手の心と身体の問題についていろんな切り口で伝えていきます。








2020年3月14日

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 そうしん野球部に関わるようになったのは一昨年前。国体の競技力向上の担当をしている渡邉恵尋さんから紹介された。一昨年の福井国体で6位入賞しており、今年の鹿児島国体の有望チームの一つである。月に1度、練習に足を運び、アップからクーリングダウンなどのコンディショニング、フィジカルトレーニングのやり方などを見ている。高校時代にトレーニング指導をしたことがある選手もいて、すぐに溶け込むことができた。

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 「意識が高くて、中高生の見本にしたいチーム。素敵な選手たちの集まり」と感じている。何より特筆すべきは「フルタイムで仕事をしながら、土日の野球にも本気で取り組んで勝負にこだわっている」チームであることだ。

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 大卒したての新入行員から40歳まで選手の年代は幅広い。今年40歳になる最年長の投手・中原彰仁は「高校の3年、大学の4年といったしばりでなく、幅広い年代の選手と野球ができる」ことを何よりの魅力に挙げている。バッテリーを組む奥村斗は同じ鹿児島南高の9つ下の後輩にあたる。

 月曜から金曜までフルタイムで働き、土日は真剣に野球に取り組む。いわゆる「オフ」がない日々を過ごしているが、松元健作監督は「それが普通」と自然体で言い切る。都市対抗の優勝を目指す社会人の硬式チームのように、仕事は午前中だけで午後から毎日練習して会社のために結果を求められるチームとは違うが「会社を背負って戦う」気持ちは全員が持っている。

 電光掲示板があり、外野の芝生はふかふかで手入れが行き届いている。一企業の施設としては申し分のない球場を会社が整備してくれた。だからこそ仕事もフルタイムで働き、野球も真剣に取り組んで、そういう活動をしているチームと応援してくれる会社があることを多くの人に知ってもらいたい気持ちが今年37歳になる松元監督のモチベーションになっている。「仕事でも100%、野球も100%で取り組んで結果を出す」ことにこだわる。そんなチームの取り組みにトレーナーとして関わっているうちに「こんなチームが鹿児島にあることを知ってもらって、純粋に応援したい」気持ちになった。

 この日は今季3戦目となる練習試合が組まれていた。通常、午前8時からチーム練習開始となっているが「7時ぐらいには全員がやってきて自主練習をやっている」姿に感服する。フルタイムで働き、普通の社会人ならゆっくりしたり家族サービスをしたいところを、己の意志と家族の理解で「自ら感じて、考え、成長しよう」とする姿勢が身についている。その根底には「野球が大好きで、勝ちたい」という純粋な気持ちが伝わってくる。

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 コンディショニングやトレーニングを定期的に見てもらうようになって「安心感が違う。ケガをする選手が明らかに少なくなった」と松元監督は感じる。選手としての意識は高いが野球以外の身体に関する専門的な知識が不足していたり、個々人でバラバラだったのがスタンダードなやり方を示してもらったことで選手たちの取り組みへの意識がより高まった。

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 「この歳でも連投ができるようになりました」と最年長・中原は言う。気をつけたいのは野球のない平日の過ごし方だ。教わったストレッチは欠かさずやるように心がけ、シャワーですませるのではなく湯船にしっかり浸かるなど、フルタイムで働く日々でもできることをやるようにしている。「そうしないと土日の野球ができませんから」と苦笑する。この日は練習試合が終わった後、メディシンボールを使った下半身強化、走り込みとハードなフィジカルトレーニングがあったが、若い選手と同じメニューをやり切れていることが自信になっている。

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 今年10月には鹿児島国体がある。当面は5月に予定されている県予選を勝ち抜くことを目標に掲げる。
 選手個々の能力でいえば「特別優れた能力のある選手の集まりではない」と感じる。甲子園を経験しているのは鹿児島実高出身の岩下圭がただ1人。鹿児島商高、鹿南高、尚志館高、れいめい高、大島高など県ベスト4、8クラスの実績の選手が大半である。全国に目を向ければ、大阪など国体で優勝するような県は元・プロ野球選手が普通にいる。そうしんも昨年は県予選で元プロのいるチームに敗れて本大会に出られなかった。その分、この冬の12―2月の3カ月は基本オフなしでフィジカルトレーニングに取り組み「身体はだいぶしあがってきている」と松元監督は手応えを感じている。
 選手の能力は劣っているかもしれないが、やれることやって頂点を取りたいという高い意識を持っている集団であることは間違いない。トレーナーとしては「まずは5月の予選でケガなく、持っている力を十分発揮できる」状態を作ることが仕事だ。

 「この歳で、この練習ができて、代表を勝ち取って、国体で一花咲かせられたら最高ですね」

 中原は少年のような笑顔で語っていた。

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 【メモ】たかし・ゆずる。 1973年生まれ。鹿児島中央高、筑波大体育専門学群、同大学院体育研究科卒。卒業後、社会人野球・三菱重工横浜野球部のコンディショニングコーチ、トレーナー派遣業の会社で勤務した後、2004年9月、鹿児島に帰郷し個人でスポーツトレーナー業を始める。フィジカルファクトリー代表。
資格:日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、健康運動指導士、スーパーブレイントレーニング(STB)2級コーチ、日本トレーニング指導者協会トレーニング指導者(JATI-ATI)、健康経営エキスパートアドバイザー
所属学会など:日本スポーツ心理学会、日本トレーニング指導者協会

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テーマ:野球 - ジャンル:スポーツ

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