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サブスリー・チャレンジ日記第32回
親子3人、「ダッシュ王選手権」デビュー!
200329ダッシュ王01

2020年3月29日

 「親子3人で50mダッシュ王選手権に出場する!」

 ふとそんな考えが浮かんだ。

 「ダッシュ王選手権」はSCCの主催で毎年3月末に開催している。「市民マラソン」が定着しているように「誰もが気軽に参加できる市民短距離大会」をやってみたいという理事長の太田敬介さんの発案で02年からスタートした大会だ。今年で19回目を迎え、毎年参加者も増えて、ちょっとした春の人気イベントとして定着している。




 私も過去に何度か出場したことがあって、17年前の第2回大会に出場した時の模様は「気軽に楽しめる市民短距離大会」と題して、当時勤めていた鹿児島新報にレポートし、拙著「地域スポーツに夢をのせて」にも収録してある。
 その後、どこかで出場したことがあり、7秒を切って喜んだ記憶があるのだが、正確に思い出せない。出たい気持ちはあるのだが、この時期は春の九州高校野球と重なっており、近年はJリーグやBリーグの公式戦と重なることもしばしばで、なかなかその機会が持てなかった。

 今年も元々参加するつもりはなかったが、新型コロナウイルスの影響で県内もあらゆるスポーツイベントが中止、延期になった。ダッシュ王選手権もどうなるかと思って、GMの竹内良人さんに尋ねると予定通り開催するという。「ならば!」ということで私と、4歳の息子・純大、2歳の娘・こころの3人で早速申し込んだ。思いついたのが3月14日だったが締め切りにもギリギリ間に合った。
 前々から子供が生まれて歩けるようになったらぜひ一緒にダッシュ王選手権に出てみたいという夢があった。他のスポーツイベントもない今回はまさに千載一遇のチャンスだと思った。

 気がかりなのは7日の練習で右のハムストリングスを肉離れしたことである。回復はしているが、練習ができない上に短距離走は身体に思った以上の負荷がかかり、再発する可能性が大いにある。出るからにはどんなに遅くなっていても、ベストを尽くして自分の力を試してみたいというアスリートの本能と、それをやってしまえば間違いなくケガのリスクは高いという葛藤をどう折り合いつけるかがテーマになった。

 行きつけの整骨院オルタナに通う回数を増やし、まずは回復に努めた。テーピングや針治療のおかげで痛みはほとんどなくなり、大会数日前には6、7割程度のダッシュならできるようになっていた。
 回復してくると、やはり少しでも速く走りたい「欲」が出てくる。当初はスパイクも使わず、スタートブロックも使わないでスタンディングで走るつもりだったが、スパイクは使ってみたい気になった。

 試しに前日、土曜日のSCCの練習で試しに短距離用のスパイクを履いて、流しやスタンディングスタートからの軽いダッシュを何本か走ってみた。長いこと長距離でやっていたので、スパイクを履くこと自体も10年以上ぶりだろうか。やはり走りの感覚は普通のシューズと全然違う。地面を蹴る「エンジン」のようなものがついている感覚だ。
 だが同時に身体にかかる負荷の大きさも感じた。幸い、練習では痛みを再発させることはなかったが、いざ本番となれば無意識にいつも以上の力が入ることは十分予想できた。練習の後にオルタナに行き、テーピングをしてできる限りのケアを万全にして臨もうと思った。

 大会当日の29日は晴天に恵まれた。前々日から雨が降り、30日以降も天気が崩れる予報が出ていた中で、まさに天佑神助とも呼びたくなるぐらい穏やかで春の暖かさを満喫できるような晴天だった。

 妻と子供たち、義母、私の母と6人でお弁当を持参し、白波スタジアムに向かった。まるで春のピクニックにでもでかけるような高揚感があった。会場に到着してから、純大が少しグズッていたが、参加賞でもらったお菓子で機嫌が治った。元来2人とも外で遊ぶのは好きである。かけっこは公園で遊ぶ時にもよくやるので、あとはスタートラインまで不安なく誘導してあげればいい。純大はファーストステージ14秒2、セカンドステージ14秒4、こころは23秒3、30秒0で2人とも見事完走できた。その模様はYouTube動画を作成したのでそちらでお楽しみいただきたい。



※画像をクリックすると動画がご覧になれます!

 さて肝心の私は、ファーストステージが全45組中第43組目に組まれていた。プログラムを見ると同じ組に45歳の私とほぼ同年代の男性5人の名前があった。実際に走ったのは私を含めて3人だった。どちらも短距離経験者らしく速そうだ。変に負けず嫌いを出したら身体が壊れると思ったので、とにかく自分の走りに集中した。

 スパイクは履いたが、スタートブロックは使わない。その代わりブロックを使わないクラウチングスタートで走った。コースは第4レーン。集中し、ピストルの合図と同時に飛び出す。最初はできる限り低い姿勢を維持して加速し、あとは力まずに流れに乗る。昔、太田さんに習った短距離の基本を実践することだけを意識した。
 予想通り左右の2人が前をいくのが見えた。気にしていないつもりだったが、やはり無意識に力が入ったのだろう。40m過ぎたところぐらいで右のハムがギュッと固まったような違和感を覚えた。案の定肉離れを再発させた。タイムは8秒3。2本目は潔く棄権し、子供たちと他の参加者の走りをひたすら楽しむことに専念した。

 この大会の仕組みは実にユニークである。ファーストステージは小学校低学年から始まり、中学、高校、一般と通常の大会と同じようにカテゴリーに分けて走る。セカンドステージでは1本目に出たタイムをもとに同じようなタイムの選手同士で再度組み分けして競う。
 性別も年齢も関係なく、同じぐらいの走力の選手同士で競うのでその分勝負も白熱する。最年長86歳の浜崎行雄さんと孫世代の小中学生との真剣勝負が見られるのが何よりの醍醐味だ。ちなみに息子の走った第3組は未就学の子供たちばかりの中で、ファーストステージで転倒してしまった母親世代の女性が混じっての「ガチンコ勝負」だった。

200329ダッシュ王02
 ファーストステージが終わった後、スタンドでお弁当を開いた。長いこと忘れていた「運動会のお弁当」の味を思い出した。「外で食べるおにぎりとから揚げが一番美味しいね」と義母がいう。解放された屋外、家族皆でワイワイ言いながら食事をしていると、肉離れの痛みも、8秒3でしか走れなかった悔しさも忘れた。
 夜はゴルフで応援に参加できなかった父も誘って、我が家で焼き肉パーティー。ケガはしたけれども、走る楽しさ、家族と過ごす時間の楽しさを思う存分満喫できた幸せな一日だった。

 世の中、自粛ムードであらゆるイベントが延期、中止を決めた中で、大会を開催したのは相当な決断だったと思う。屋外の開催であり、身体接触、密集するような場面も少ないことから、むしろ子供たちのストレス解消になるような場を作ってあげたいとの想いで開催を決断したという。会場には消毒液を設置し、スタッフが手洗い、うがいの励行、「なるたけ密集しないように」との声掛けを細目に行っていた。その決断と心配りのおかげで、私たち家族が貴重な思い出となる一日を作れたことに感謝したい。
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テーマ:陸上 - ジャンル:スポーツ

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