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球夏2011最終日
神村、4年ぶりV!
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 第93回全国高校野球選手権鹿児島大会最終日は23日、鹿児島市の県立鴨池球場で決勝があり、神村学園が4年ぶり2回目の栄冠に輝いた。
 決勝は第2シードの神村とノーシードから勝ち上がった薩摩中央の対戦。初回に5番岩元の左前適時打で2点を先取した神村は、四回に長打4本を含む6安打と積極的な走塁で相手守備をかき回し、打者一巡で5点を挙げ、主導権を握った。先発のエース久保は丁寧な投球で相手打線を散発3安打1失点に封じた。薩摩中央は終盤粘りをみせるも、六回に敵失で1点を返すのが精いっぱいだった。
 優勝した神村学園は全国大会(8月6日―・甲子園)に出場する。


◇決勝(県立鴨池)
神村学園 200 511 000=9
薩摩中央 000 010 000=1
(神)久保―久永
(薩)崎山―富満
・三塁打 白澤2、坂口(神) ・二塁打 児玉、岩元(神) ・暴投 神1、薩3 ・試合時間 1時間59分
・球審 田代 ・塁審 ①岡元②松岡③平石

目指す野球、決勝で結実
神村学園

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 今大会、厳しい接戦を勝ち抜いてきた神村が、そのうっ憤を晴らすかのような序盤の大量得点で4年ぶりの甲子園をつかんだ。
 打線に火をつけたのはリードオフマンの白澤隼人。初回の先頭打席、厳しいコースを攻めてくる薩摩中央の好投手・崎山のボールを的確に見極め、内角低めの直球を右中間最深部に鋭いライナーで弾き返す三塁打を放った。「選球眼が大事なので、動体視力にこだわって鍛えている。だからしっかり見極めてとらえられました」と白澤。その回は走塁のミスもあって自身は先制のホームを踏めなかったが「行ける」雰囲気をチームに呼び込み、後続がカバーして2点を先取した。
 圧巻は四回の集中打。これも口火を切ったのは白澤=写真上=で「追い込まれても思い切ってフルスイングするのが自分の持ち味」を発揮する。右翼手の手前で大きくバウンドして長打になり、二、三回と攻めながら点が取れなかった嫌な流れを断ち切って4点目を挙げた。
 ただ、打つだけではない。スキがあったら果敢に先の塁を狙うのもチームが目指す野球だ。7点目は本田の遊ゴロで、三走の坂口湧希は遊撃手が一塁へ送球する間に判断良く生還=写真中=。「ショートは自分を見たけど、体を向けていなかったので思い切り行った。積極的に先の塁を狙ってアウトになるのはOKですから」(坂口)。
 派手に点を取るだけでなく、点をやらない野球もやり切れた。エース久保=写真下=は「持っているどの球でもストライクが取れる」(捕手・久永純也)好調ぶりで、相手打線を散発3安打に封じる。ミスで失点した六回以外は全くスキを作ることなく守り切った。
 4回戦の川内戦は延長十回裏二死二、三塁、あとワンプレー何かが起こればサヨナラという崖っぷちに追い詰められたこともあった。今大会は苦しい試合の連続だったが「苦しい中でもチームメートを信頼し合って、楽しんで野球をすることができた」と山口高輝主将は振り返る。厳しい試合を勝ち抜いたことで、ナインの絆が深まり、成長することができた。「最後の最後でうちが目指していた野球がようやくできましたね」。山本常夫監督も安どと充実した笑顔が浮かんでいた。


【熱球譜】
「長打よりポテンヒットが楽しい」
神村学園・児玉洸二塁手(金久中出身)

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 「ドカベンでいえば殿馬みたいな選手ですよ」
 谷川暁副部長は児玉をこう評価する。派手なスター性はないが野球をよく知っており、自分の仕事をそつなくこなして頼りになる。この日も2番、遊撃手の仕事を確実にやり切って、4年ぶりの甲子園に貢献した。
 打席ではきれいなヒットを打つことより、どんなに不格好でも、塁に出てつなごうとする姿勢が伝わってくる。四回の5点目になった二塁打=写真=も外角の厳しいボールにバットを当てて、フラフラと右中間に上がった打球が、中堅手のグラブにいったん収まってから落ちたラッキーなポテンヒットだった。
 「長打よりポテンヒットの方が楽しい。あの当たりで二塁までいけたことが大きかった」
 普通は二塁までいけないような当たりだが、相手の返球の合間を縫って、二塁を陥れた。足に自信がある方ではないが、果敢に先の塁を狙うのはチームが最も目指している野球。それをやれたことが何よりうれしかった。
 NHK旗までは背番号16だったが、夏はレギュラーを勝ち取った。「コツコツしてきたことが評価してもらえてうれしい」と喜ぶ。 金久中の先輩で4年前の甲子園に出た盛義達の影響で神村に進学。4年前の先輩と同じ夏の甲子園を勝ち取ることができた。
 「僕は野球部7期生で、奇数の時は必ず春か夏の甲子園に行っている。ジンクスを守ることができて良かったです」
 いかにも仕事人らしいコメントで夏を締めくくっていた。

選手に感謝
薩摩中央

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 今大会、一戦ごとに力をつけ、準決勝では鹿児島実から金星を挙げた薩摩中央だったが、神村学園の地力に屈した。神村泰幸監督は「トーナメントを7試合勝ち抜くためには、もうワンランク上の気力、体力が必要だと痛感しました」と唇をかんだ。
 前日、鹿実打線を2失点に抑えた崎山貴斗だったが「上には上がいる。鹿実とは違う力を感じた」という。どれだけ厳しいコースに投げたと思っても、食らいついて弾き返すうまさがあった。足を生かしてそつなく攻める相手に浮足立ち、持ち味の粘って守り抜く野球をさせてもらえなかった。
 六回までで9失点。「ふがいない投球でみんなに申し訳なかった」崎山だが、神村監督の「最後まで投げろ」という言葉に奮起した。何本打たれてもいい、何点取られてもいい、ただ「気持ちで負けない投球」をしようと自らに誓った。七回以降もピンチは続いたが、3イニング無失点で守った。薩摩中央の底意地をみせた終盤の守りだった。
 「夏にこんなにたくさんの試合をさせてもらった子供たちに感謝したい」と神村監督は万感の想いを込める。昨秋も今春も結果を残せなかったチームが最後の夏に成長した。学校や地元さつま町からも大応援団が駆けつけて、チームの力になった。決勝はふがいない結果だったかもしれないが、スタンドの声援は「よくやったぞ!」と温かかった。「何年かに1度でいいから、こういう応援を経験することが下級生の励みになる。この伝統をこれからも続けていきたい」。この夏、たくさんの宝物を手にしたことを胸に、指揮官は、また強いチームを作る決意を固めていた。


【最終日熱戦フォトグラフ】
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1回表神村二死二、三塁、岩元が三遊間を抜く適時打を放ち、三走に続いて二走・坂口も生還し、2―0とする

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2回表神村一死一、二塁、白澤の右前打で本塁を狙った二走・古賀を中継プレーでタッチアウト。三塁手・宮脇

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4回表神村一死二、三塁、白澤の三塁打で三走に続いて二走・古賀も生還、4―0とする

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4回表神村一死二塁、坂口が右越え三塁打を放ち、二走・白澤が生還、6―0とする

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4回表神村二死二塁、大迫の二ゴロエラーの間に二走・岩元が本塁を狙うも、好返球でタッチアウト。捕手・富満

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5回表神村二死三塁、暴投の間に三走・久永が8点目のホームイン

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6回裏薩摩中央二死二、三塁、捕手からの送球がエラーになる間に三走・前園が生還、1点を返す

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9回表、レフトへの当たりを好捕した薩摩中央の左翼手・矢野

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9回裏薩摩中央、左前打を放った代打寺本

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4年ぶりの優勝を決め、応援団のもとに駆け寄る神村ナイン

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優勝旗を受け取る神村・山口主将

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準優勝盾を受け取る薩摩中央・宮脇主将

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左から神村学園の山本監督、六反田部長、谷川副部長

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右から薩摩中央の神村監督、坂口部長
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テーマ:高校野球 - ジャンル:スポーツ

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