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スポーツコラム「年中夢求」第1回
※きょうから開始した政純一郎のスポーツコラムです。スポーツに関する様々な話題を独自の視点で切り込んでいきます。

「コーチング」の極意

 この間、鹿児島実サッカー部の松澤隆司総監督と電話で話をした際に聞いた興味深い話を紹介しましょう。
 あるプロ野球元監督が、メジャーリーグのドジャーズでコーチ研修に行った時の話。その監督さんは、ドジャースの若手投手の練習を見ていました。投手出身の元監督の目には、その投手は未熟で技術的に直すべきポイントがたくさんあることに気づきました。早速、気づいたポイントをその投手にアドバイスし、そのアドバイス通りに投げた投手は見違えるほど、いいボールを投げるようになりました。翌日、その監督さんはチームのコーチングスタッフに呼び出されます。自分のアドバイスで、その投手が良くなったわけですから、てっきり感謝されるのかと思いきや、「申し訳ないが、今すぐ日本に帰って欲しい」というお叱りの言葉だったそうです。
 なぜ、その監督の指導がだめだったのか? 当然ドジャースのコーチングスタッフたちもその投手の欠点には気づいていました。しかし、彼らの考えは、それをどうやって自分で気づかせるか、自分で直すためのアクションを起こさせるためにはどうすればいいか、ずっと粘り強く見守っていたのだそうです。あと少しでそのことに気づきそうだったのに、その監督が先に教えてしまったことで台無しになってしまった。その投手が自ら成長する機会を奪ってしまったことが、コーチとしてあるまじき行為だったということだったのです。

 日本人とアメリカ人の「コーチング」に対する考えの違いが如実に現れています。日本人の考え方は「コーチング」よりも「ティーチング」といった方がいいのでしょう。それはそれで必要なことですが、プロとして生きていくためには人から「教わる」だけではだめなのです。自分にとって必要なことは自分で見つけなければ本当の成長はない。コーチはそのためのサポートをするというのがアメリカ流の「コーチング」の考え方ということです。
 ドジャースの指導書の第一項は「not over coaching」、つまり「教えすぎないこと」なのだそうです。

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※本文と写真は関係ありません。
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