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鹿実VS薩摩中央―「番狂わせ」の真実・第12回
第2部・無欲、無心の勝利―薩摩中央
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さつま町にある薩摩中央高校は05年開校。校舎には野球部の昨夏準優勝をたたえる垂れ幕が

 薩摩中央高校があるさつま町へは、鹿児島市からだと北薩方面に車を走らせ、国道267号線で入来峠を越えて約1時間半を要する。2005年3月に宮之城町、鶴田町、薩摩町が合併してできた町で、学校は宮之城高校と宮之城農高が合併して、同じく05年に宮之城農高の敷地に開校した県立高校である。
 学校は町のほぼ中心にあり、旧宮之城町の市街地に近い。校門まで約200㍍の直線の坂道になっており、野球部をはじめとする部活動生の絶好のトレーニング場所になっているであろうことは容易に想像がつく。学校関係者は「さっちゅう」の愛称で呼んでいるが、まだ浸透しているとは言い難い。野球部監督の神村泰幸がこんな笑い話を紹介してくれた。


 11年夏、薩摩中央が第1シード鹿児島実を破って決勝に勝ち進んだ。決勝では神村学園に敗れて、初の甲子園出場は果たせなかったが、人口約2万4千人の町は大いに沸いた。県外にいる旧宮之城高の卒業生が地元の親戚に電話をかけた。
 「野球で勝った『薩摩中央』って、新しくできた私学け?」
 「ないごてよ! わいの『母校』じゃらいよ!」


 11年7月22日、そんな開校7年目の新設校が「世紀の番狂わせ」の主役だった。
 「無欲、無心の勝利でした」
旧宮之城高から23年間チームを指揮する神村が、あの鹿実戦を振り返ってそう言い切った。実績、戦力では圧倒的に分が悪い相手に対して「無欲」「無心」で挑み、1時間48分間「自分たちの野球」をやり切った薩摩中央ナインのドキュメントを、第2部ではつづってみる。

秋の県大会2回戦 薩摩中央 0―10 鹿児島情報(5回コールド)
春の県大会2回戦 薩摩中央 7―0 南大隅(7回コールド)
       3回戦 薩摩中央 1―3 松陽


 10年秋の県大会から夏前までの薩摩中央の県大会の成績である。春の県大会ベスト16以上に出場権が与えられるNHK旗選抜大会には選ばれていないから、この「1勝2敗」が夏までの県大会での戦績である。当然のごとく夏の大会はシードに選ばれず、1回戦からの登場だった。旧宮之城高は夏のベスト8に過去6回入ったことはあるが、ベスト4以上の成績は残していない。薩摩中央は開校して7年目を迎えるが10年に1回戦で尚志館に3―2で勝つまで、夏未勝利だった。大会前、このチームが鹿実に勝ち上がって決勝に進むことを予想できた人はほとんどいなかっただろう。
 「組み合わせ抽選で、2回戦で鹿児島城西と当たる場所を引いたときは、正直『またやってしまった』と思いました」
 主将の宮脇諒は苦笑する。できればくじ運で「良い場所」を引いて、一つでも多く勝ち上がればと淡い期待を抱いていたが、簡単には勝ち上がれない場所を引いてしまった。甲子園出場を具体的にイメージできるような実績もなければ、どうやらくじ運にも見放されてしまったかもしれない。
(続く)
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テーマ:野球 - ジャンル:スポーツ

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