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鹿実VS薩摩中央―「番狂わせ」の真実・第16回
エラーで落ち着く
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勝利の原動力となった薩摩中央のエース崎山

 先頭の平山の打球は左方向へのライナーの打球。あらかじめライン際にポジションをとっていた左翼手・西之園のグラブに収まるかと思われたが落球。いきなりピンチに立たされた。初回の先頭打者、打線のキーマンを、よりによってミスで出すというヘビーな状況だったが、これで薩摩中央の選手たちは逆に落ち着くことができたという。

 「落とした瞬間は、『えっ!』て思ったけど、逆にあいつのおかげでホッとできた。緊張が一気に解けたような気がしました」
 崎山は言う。三塁を守る宮脇は「思わず笑っちゃいました。あいつはそういうキャラなんで」。西之園は準々決勝でも先頭打者の左翼線の当たりを処理しそこなってピンチを招いている。守備に少し難があることはチーム全員が分かっていたから、「あいつ、またやっちゃったよ」と笑うことができた。捕手の富満も「あそこでシュンとならずに、試合中なんだけど、良い笑顔ができた。緊張がほぐれて良かったと思います」という。「そのあとを抑えられるかどうか、分からなかったけど、チームにとってマイナスではなかったです」(宮脇)。
 試合中、選手は「ミスをしないこと」を当然考える。だが、ミスは出てしまうもの。大事なのは、そこでその選手が気落ちしたり、チーム全体が委縮してしまったら、更なる「ミスの連鎖」につながりかねない。初回、立ち上がり、要注意の先頭打者をエラーで出すという、望ましくない状況だったが、薩摩中央ナインはそのミスで、逆に立ち上がりの緊張感から解放されて、落ち着くことができた。「後ろにそらさなかったから良かった。そんな風に思っていましたね。試合中はプラス思考でいくしかないですから」と神村は苦笑する。

 初回一死二塁でいきなり主軸を迎える厳しい場面だったが、3番・豊住、4番・田、最も警戒すべき鹿実の主砲をいずれも一ゴロで打ち取っている。決め球は崎山が最も得意とするスライダー。第1部で鹿実の選手や監督が話しているように、この時の崎山のスライダーの切れは抜群だった。バッテリーが考えていたのは「持っているものは最初から出し惜しみしない」(神村)。試合前、神村がカギに挙げていた「崎山のスライダー」が鹿実の強力打線に通用する手ごたえを初回でつかめたのは大きかった。ピンチをしのいで喜び勇んでベンチに帰ってくる選手たち。ただ神村は特別な言葉をかけるでもなく「いつも通り」選手を迎え入れ、自然体で試合に臨むことだけは常に心掛けていた。
(続く)
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テーマ:野球 - ジャンル:スポーツ

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