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論文・「スポーツ」と「お金」に関する考察・上
「スポーツ」と「お金」に関する考察
成否のカギはP・M・M 上

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 鹿児島にプロスポーツを根付かせるために何が必要か? FC鹿児島とヴォルカ鹿児島の統合問題に端を発して取材を進めていくうちに、そのためのキーワードの1つとして「スポーツとお金」の問題を考えるようになった。
 「地域密着」「子供たちに夢を」「地域の誇りとなるもの」…サッカーにせよ、バスケットボールのレノヴァ鹿児島にせよ、底に流れる理念は共通するものがある。これは鹿児島に限らず、今全国各地で新しいスポーツのあり方を目指しているところが共通して持っている理念だ。掲げた理念が実現できるかどうかは、活動費=お金をどうねん出するかが最大のポイントである。


※本日より上中下の3回連載で掲載します。
・「企業スポーツ」の歴史
 日本のプロスポーツと「お金」の関係の歴史について考えてみよう。
 プロ野球は「親会社の広告塔」で成り立つビジネスモデルだった。「巨人」は「読売新聞社」、「タイガース」は「阪神電鉄」…おおざっぱにいえば親会社の名を広め、新聞など売りたい商品やサービスを広く世にPRするためのツールとして野球チームが存在した。球団自体が赤字を出しても、親会社の宣伝広告費で相殺できた。
 「プロ」の名はついていないが、陸上、バスケットボール、バレーボールなど、企業が「実業団」として運動部を持つのも本質的には同じ理由である。高度経済成長で力をつけた企業は、社員の福利厚生や税金対策としてスポーツ施設を作り、運動部を持った。運動部が活躍することがメディアを通じて世に伝えられることで会社の宣伝になり、社員の一体感や士気高揚に役立った。
 経済成長が右肩上がりならそれでよかった。しかし、昨今の長引く経済不況などによって「企業の余力」によって支えられていた日本のプロスポーツ全体が、大きな曲がり角を迎えた。1990年代後半から2000年以降、企業運動部の休廃部が相次ぐ。04年のプロ野球で起こったオリックス、近鉄の合併劇はその最たるものだろう。鹿児島県内では00年に京セラ、城山観光が相次いで陸上部の活動を停止し、鹿児島は長短距離の牽引車を失った。
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 93年に発足したサッカーのJリーグは、日本のプロスポーツのあり方に新しい劇的な変化をもたらした。チーム名から企業名を外し、サッカーチームと地域住民と行政が一体となる新しいビジネスモデルを模索した。スポーツチームがあり、地域住民や企業がそこに関わることで精神的、経済的活力を与え、地域社会に貢献する。Jリーグが謳った理念は、競技を超えて今後の日本のスポーツの方向性を示す道筋になった。

・「スポンサー」とは何か?
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 「スポンサー」について考えてみる。
 前述したように、プロ野球の場合は基本的にスポンサー=親会社であり、その広告塔だった。元々「市民球団」を謳っていた「広島カープ」や、「北海道日本ハムファイターズ」「福岡ソフトバンクホークス」「千葉ロッテマリーンズ」など親会社名と地域名をチーム名に入れるなど、近年は新しいあり方を模索している球団もあるが、大きな本流は変わっていない。
 Jリーグの場合はチーム名に企業名を入れない代わりに、複数の企業がスポンサーとしてチームに関わっている。一番分かりやすいのが、ユニホームスポンサーだろう。例えば鹿島アントラーズなら「LIXIL」、京都パープルサンガなら「京セラ」「任天堂」といった文字がユニホームの胸、背中、肩口などにつづってある。「企業の広告塔」という役割に違いはないが、支える企業を複数募り、スペースごとに値段をつけるなどしてチームと企業とが対等なビジネス関係を築こうとしている点で、画期的な違いがある。
 企業は、何らかの方法で自分たちの活動を世にPRする必要がある。最も分かりやすいのが、テレビや新聞などのメディア=媒体に広告を出すことだ。より多くの人の目に触れる場所に名前が載ることが企業の宣伝になる。より多くの人の目に触れるメディアになればなるほど、スポンサー料は高くなる。テレビなら視聴率、新聞なら発行部数、インターネットならヒット数の多寡が料金の目安になる。
 ユニホームスポンサーは、チーム自体がメディアになって企業の宣伝広告を担うという考え方だ。人気チームで、テレビや新聞などいわゆるマスメディアに露出する割合が高いチームは広告塔としての価値も高い。チーム事情により様々だが、J1トップクラスのチームでユニホーム胸部にかかるスポンサー料は年間数千万円とされている。
 このほかにも公式戦がある試合会場に掲示されるバナー広告、チームマガジンやオフィシャルホームページに掲載される広告など、露出効果に応じて金額を設定し、チーム運営者が多数の企業のスポンサーを募る。
(続く)
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