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スポーツコラム「年中夢求」第21回
「県民」という言葉を軽々しく使うな!
FC鹿児島、ヴォルカ鹿児島、統合断念に寄せて

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 12月頭から協議を重ねてきたFC鹿児島とヴォルカ鹿児島の統合に関しては、両チーム合意に至らず、25日にその経緯を説明する記者会見があった。理由は統合の大前提だった「これまで両チームが持っていた債権・債務に関しては、それぞれのチームで処理して新団体には持ち越さない」ことを確約する文書にヴォルカ側が「実際の代表との意思疎通が遅れて確認できず」(前村寛・ヴォルカ管理団体737鹿児島サッカープロ設立準備会代表世話人)サインできなかったこと、現在FCが持っている下部組織に対してヴォルカ側が改組を求めたことに対して、FC側が受け入れられなかったことなどが主な理由である。

 「広く県民の皆さんに応援していただけるクラブを目指す」「県民球団」「県民が望むJリーグ」…記者会見で出てきた言葉を聞きながら、私は湧き上がる隔靴掻痒感が抑えられなかった。「広く県民の皆さんに応援していただく」ための大きな手段だったはずの統合は、ヴォルカ側のよく分からない理由で合意に至らず。少なくとも鹿児島県民の1人である私は、そんなものに貴重な自分のお金も、時間も使いたくない。それだけのことである。
 この「隔靴掻痒」はどこからくるのか、考えてみた。
 あまりに「県民」という言葉を軽々しく使いすぎていないだろうか?
 「県民のために」「地域のために」…理想や理念を掲げることはとても大切なことだ。ただ、あまりに崇高な理想を掲げるがゆえに、ややもすると「俺たちは、お前らのためにこんなすごいことをやってやっているんだ! 何で応援してくれなんだ!」と上から目線な気持ちになっていないか? 「行政や企業の理解がない」「鹿児島県民は保守的」…訳知り顔でそう嘆く前に、それを覆すだけの情熱と実行力を示す努力をしてきただろうか?

 日本体育協会公認スポーツ指導者講習会のテキストには次のような言葉が載っている。

・スポーツは、1人ひとりのスポーツ参加者のスポーツへの愛着を礎とした自己完結的な満足・楽しさを満たすことが出来なければ、その活動の活性化や習慣化は難しい。
・スポーツ本来の楽しさを満たした上、スポーツの文化性の維持、向上に配慮しながら、その社会的な機能の発揮をはかることが重要で、個人的な利益が、社会の利益として連続線上につながっていることが、望ましいスポーツ振興の方向。
・何かの手段としてスポーツが強調され過ぎては、スポーツの文化的な自立への障害となるが、スポーツが自らの社会的役割を認識し、その機能を発揮することで、多くの社会的な理解と支援が得られ、現代社会の多くの課題を解決することが出来るということ。


 深い示唆に富んだ文章だ。サッカーであれ何であれ、スポーツは好きで楽しくて始めることが第一歩。そうすることで個人がまず心豊かになり、そういった想いを多くの人と共有することで社会が心豊かになり、結果的にスポーツを超えた社会全体が活性化する方向に向かっていくのが望ましいということである。
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 FC、ヴォルカ、双方とも来季は九州リーグから再びJを目指す活動を再開する。本気で「県民球団」を目指す気があるなら、例えばこんな言葉で、もっとシンプルに自分たちの感情を語って、謙虚な姿勢で県民にアピールしてみてはどうか?

 「僕たちはサッカーが大好きなんです。Jを目指して頑張ります。そんな僕たちを応援して、支えて下さったら、もしかすると夢や感動でお返しできるかもしれません。できる範囲で構いません。よろしくお願いします」
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テーマ:サッカー - ジャンル:スポーツ

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